第22話新しいパーティ

俺達は冒険者ギルドでイェスタの冒険者登録をする事にした。

この国で、他の街へ入る為には身分証明書と通行税がいる。

勇者パーティだったイェスタは国王陛下の勇者パーティとしての身分証明書を持っていたが、当然、今は無い。

冒険者ギルドに登録するのが一番早い。

そこへ。

「お、レオンじゃないか?」

アーネだ!

「アーネ、久しぶりだな」

「ああ、1週間ぶりかな。ところでどうだ、いい加減、俺達のパーティに入らないか? 二人じゃ、これから大変だぞ」

「確かにそうなんだが、悪い。俺達のパーティに仲間が入ったんだ。これから登録なんだ」

「そっか、でも、最初は大変だろうから、声かけてくれ、時間があれば手伝うぜ」

「ありがとうイェスタ、エリス、最初は俺の知り合いの冒険者について学ぶけど、それでいいかな?」

「もちろんお願いします」

「助かります」

イェスタとエリスが入ってきた。

アーネは固まった。

「アーネ?」

「いや、お前、この人!!」

「イエスタが何か?」

「い、いや、俺この人知ってる」

「知ってるのか?」

「勇者パーティの王国騎士イェスタ様じゃねえか」

「いや、彼は勇者パーティを離脱したんだ」

「そうです。今、私は無職なのです」

ギルドの中がまたザワザワし始めた。

「ほ、本物なのか?」

「そっくりさんなんじゃ?」

そして、またギルド長がすっ飛んで来た。

「騎士様、冒険者ギルドに登録なら是非うちでお願いします」

俺達はギルドの2Fの応接室へ通された。

「あの、申し上げにくいのですが、紹介状はお持ちでしょうか?」

「ありますよ。」

イェスタは懐から賢者マリア署名の紹介状を取り出した。

ギルド長は紹介状を見ると安堵した様だ。

「ありがとうございます。これ以上無いという紹介状です」

「審査必要でしょうか? 俺達の時みたいに?」

もちろん、意地悪だ。

「レオンさん、お願いしますよ。あの時の事、根に持ってらっしゃいますか?」

「いや、すいません、つい意地悪したくなりました」

こうして新しい仲間が俺達のパーティに正式に加わった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る