第二年代記

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惑星エラムより愛をこめてシリーズ 口上

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 惑星エラムの女王である黒の巫女さん、やっと神産巣日(かみむすびのかみ)神の世界であるエラムに平和をもたらした。


 ご褒美でもないが、14人の妻を引き連れ、新婚旅行がてら故郷に里帰りなどをもくろむも……故郷は高御産巣日神(たかみむすびのかみ)様の世界。


 自ら生まれた世界といえど、今は異星人で神に近い存在のヴィーナスさんには、見えなくてよいものも多々見えてくる……


 否応なしに女が押し付けられ、当然のように代価が要求される……そしてエラムの試練と、そっくり同じ試練がさらに大規模にやってきた、その押し売りのような試練はなんとも激しいものだった……


 惑星エラムの第二シリーズ、黒の巫女ヴィーナスさん、再び登場。

 ⇒本篇三シリーズの第二シリーズ、次の順になっております。


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 本篇第一部 アラウンド・ザ・ワールド編

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 惑星エラムの女王である、黒の巫女ヴィーナスさん。

 14人の妻を引き連れ、新婚旅行がてら故郷テラへ里帰り。

 楽しいイチャイチャをもくろむも、そんなにお気楽な事にならないのが、ヴィーナスさんの運命。


 そして、ここにもあったアスラ族遺物の監視端末が、薫さんと同じ望みを持ってやってくる。

 しかもなにやら得体のしれない組織も接触してきた。


 とにかく初志貫徹、居場所を確保。

 なんとか故郷の惑星に落ち着いた、ヴィーナスさん御一行だが、トラブル続出!


 ヴィーナスさんの周りには、流れのままにこれでもかと美女がどんどんと寄ってくる。


 14人の妻はあきれ顔だが、その怖いこと。

 悋気にあくせくしているうちに、何やらやばい話しが、見え隠れしだした……


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 本篇第二部 大和撫子編

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 惑星エラムの女王である、黒の巫女ヴィーナスさん。

 パラレルワールドに彷徨い込んだ今、テラの試練が否応なしに降りかかる。


 どこに行こうと、何をしようと、女が増えて望まぬままに惑星の未来が、快楽の代価としてその肩にのしかかる。


 さすがの女好きもそろそろお疲れ、普通の生活をと夢見るが、そんな簡単にはいかない。

 目の前にご馳走がやってきて、しかもフォアグラの様に無理やりに、どうしても食べさされる羽目になる。


 そして崩れ行く平和の中、さらなるなにか巨大な秘密が見え隠れする。

 とにかく秘密のカギは日本にあるようで、秘密を求め、さらにつかの間の青春も楽しもうと、戦後が違う日本に女学生としてやって来た……


 この日本はちょっと変、なにかおかしい……。


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 本篇第三部 化野(あだしの)編

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 惑星エラムの女王である黒の巫女ヴィーナスさん、故郷に帰り、女学生生活を楽しむつもりだったのに……

 どこまでも続く女地獄に辟易しながらも、テラの世界を何とかしようと奮闘努力を重ねる事になる。


 状況は悪化の一途たどり、ついに、もしもの為に用意していた次善の策が、唯一の人類存続の策になりつつある。


 仕方ないのでテラのすべて、妖怪までもマレーネさんの力で作り上げた、二つの新世界に運ぼうと計画、ついに二つの惑星世界移住に目途が……


 しかし喉元過ぎれば何とやら……やはり利己特性は強固と思い知る羽目になる。

 テラの未来に暗雲を感じるも……怒りを抑え自身の影響下の惑星世界開発に精を出すヴィーナスさん、おかげで火星、つまりマルスやヴィーンゴールヴは繁栄を始めるが……


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 本篇第四部 野良アンドロイド編

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 惑星エラムの女王である黒の巫女ヴィーナスさん、ついにマルス移住に成功し人類存続の可能性にこぎつけた……


 ヴィーナス・ネットワークも順調に機能し始め、各世界の交流が始まりだし、望んでいた平和がヴィーナスさんのその手に……が、ナーキッドを排斥したテラに不幸が降りかかり始める。


 天変地異が続き、野良がついに姿を現し、残りし人類に対して、容赦ない支配を囁き始めた。


 見捨てるつもりが見捨てられないのがヴィーナスさんの困ったところ。

 野良を何とかしようとついに立ちあがるが、野良の世界は生身の人間では生存出来ない世界だった……


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 本篇第五部 ヘヴン編

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 惑星エラムの女王である、黒の巫女ヴィーナスさん。

 ヨミを制圧し、やっとこさっとこ、テラは滅亡を逃れたが、その代価として、万単位の女たちを手に入れてしまった。


 ハルマゲドンはついに終わった、そして第七のラッパは鳴り響く……残るは男性体との『最後の審判戦争』。

 ヴィーナスさんは配下の部隊を総動員する。


 底知れぬオメルカの戦力を熟知しているはずなのに、満を持して出てきた男性体に対して、得体が知れぬ不安を感じたのであるが…… ついに不安は的中してしまった……

 造化三神の思惑どおり、ついにアスラ族最後の戦争が始まった……


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ミコの女たちシリーズ 口上

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 人類は惑星マルス移住に成功し、惑星テラとヴィーンゴールヴとの文化圏を形成していた。

 『メイド』と呼ばれる女たちは、ナーキッドの支配者、ミコの側近として夜に昼に侍っている。

 このミコの世界は、ナーキッド体制と呼ばれていた。


 『メイド』は我妹子(わぎもこ)ともいわれ、女たちの憧れ、羨望の職業でもある。

 そんな『メイド』達の、ささやかな物語を拾い集めた短編集シリーズ。


 惑星エラムより愛をこめて シリーズ の第一スピンオフシリーズ。


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 第一短編集 テラ・メイド・ハウス

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 惑星テラに設立された、テラ・メイド・ハウス。

 すこしばかり官能的な女が多く所属する、こぢんまりとしたハレムではあるが、惑星テラを事実上支配している。


 そこに所属する女たちは、それぞれの理由や立場から主の女奴隷として仕えている。

 そんな女たちの、ささやかなで少々エロい物語。


 惑星エラムより愛を込めて スピンオフ 『ミコの女た』シリーズの第一短編集。


●第一章 シェリルの物語 母娘の絆


 ネバダの売春宿ハニーエンジェルで、ロリータ娼婦として、男たちの相手をしていたシェリル。

 あまりのみじめさに、母とともに死のうと話し合っていたその時、奇跡は起こった……


 一人の女が、幸運とともにやってきたのだ……

 運命は変転した、そんなシェリルたちの、幸せで平凡な日々を綴る……


●第二章 アイハンの物語 タクマラカンの冷酷な女


 ロプノール共和国では、毎度毎度の暴動騒ぎが再び起きた。

 しかし今回は様相が違っていた。

 正真正銘の国民蜂起、ナーキッドに対して、ナショナリズムが爆発したのだ。


 間違いなしにナーキッドは手を退く、そして周りの四級市民地域に埋没していく……

 タクマラカンの冷酷な女、アイハンといわれていたが……涙は残っていた……


●第三章 マドレーヌの物語 お菓子の代償


 ミコのパティシエであるマドレーヌは、ウェイティングメイドから、ガラナ配合チョコレートを頼まれた。

 強壮剤のお菓子である。


 そして今夜の夜伽の女からも、あるお菓子を作ることを頼まれた。

 その内緒のお菓子は、今夜の夜伽の女の、切ない願いがこもっている……


 マドレーヌはその気持ちがよく理解できた……


●第四章 志玲の物語 交渉術


 日本列島、九州の端に浮かぶ端島。

 テラにおける、唯一といってもよい漢民族の文化地域。

 テラにおいて、最後の最後にナーキッドに付き従った、ほんの一握りの人々に与えられた安住の地。


 劉志玲はその地のために、一族より姉とともに献上された娘……

 優秀な姉に劉一族は、次のウェイティングメイドにと期待をかける。

 対して志玲には……長い交渉が待っていた。


●第五章 タバサの物語 妖精のお友達


 アイリッシュ海に浮かぶ、一級市民地域マン島。

 ナーキッドとアメリカの戦争も終わり、テラも平和な日々に包まれていた。


 マン島にも、ナーキッド世界の社会システムが根付きだした。


 タバサちゃんは十一歳、九歳で姉たちと共に、マン島に移住、小笠原高女付属キャッスルベイ女子小学校の五年生になっている……

 妖精を信じるタバサちゃん、ある日、その妖精に出会ったのだが……


●第六章 忍の物語 カムチャッカ


 極東ロシアの僻地カムチャッカ。

 中露核戦争で、ロシアがヨーロッパへ撤退する時、極東地域に取り残された人々が避難してきた。


 そこへ膨大な兵力の中国軍が侵攻してきた……残存する極東方面ロシア軍は戦力不足。


 そこでロシア帝国は、カムチャッカ防衛に、ナーキッドの支援を要請してきた。

 ロシア帝国から代価をもらった以上、何とかしなくてはと、ミコは援助をすることに。

 上杉忍にも派遣命令が……


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 第二短編集 ヴィーンゴールヴ・マドモアゼル

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 惑星ヴィーンゴールヴ、人外の者たちが住む惑星……

 ミコさんの直轄惑星として、確固たる地位を築こうとしていた。


 この星に住まう、少し危ない婦人たち、そしてこの地の二つのハレム。

 通称、ヴァンパイア・ハレムとモンスター・ハレムは何かと仲が悪い……


 惑星エラムより愛を込めて スピンオフ 『ミコの女た』シリーズの第二短編集。


●第一章 鈴姫(すずひめ)の物語 乙女の想い


 鈴姫は籠目(かごめ)高女の女学生。

 メイド任官課程の編入試験に見事合格、ちょっと騒々しいお友達も何とかできた。


 ある時、お友達の妹を引き連れ、社会研修旅行の為のお買い物に、繁華街に繰り出したが、そこで妹が行方不明に……

 慌てて探すと、大事な妹は不良に絡まれていた……


●第二章 ゾーイの物語 造血装置


 ブラッド・メアリーのハウス・バトラー、ゾーイ。


 東欧系の顔立ち、背が高く足が長い、申し分のない女で、『夫人』のチョーカーを身に着けている。

 彼女はじっと、目の前の簡易造血装置を眺めていた……それにはゾーイの隠された過去が……


●第三章 ジャンヌの物語 ヴァラヴォルフ族


 ブルボン・オルレアンのプリンセス、ジャンヌ・マルグリット・ブリジット・マリー・ドルレアンは人生を棄てた。


 美しい女ではあるが、ある病気で家族からも忌み嫌われ、否応なしにある女に差し出されてしまった。

 人身御供というところである。


 しかし人生は、それほど棄てたものではなかった……


●第四章 糸女の物語 金長騒動


 三好糸女(みよしいとじょ)、阿波の妖怪糸引き娘。

 百歳は超えていると思われるが、いまでは惑星ヴィーンゴールヴの、モンスター地区福利厚生責任者。


 その糸女(いとじょ)の元に、ある要望書が届いた。

 それは一度闇に葬った、ある事件を蒸し返すもので、まかり間違えば、モンスター地区存続をも揺るがす恐れがあった……


●第五章 ラダの物語 ブラッド・カレー


 ダチアの華と呼ばれる一号生徒ラダ。

 ある日、対抗戦以来のライバルであり、親友でもある鈴姫から、ややこしい相談を受けた。

 二人は総族長の館にご機嫌伺いと称して、訪れることにした……


●第六章 ベルタ・ドンの物語 鮮血推戴


 ヴラド・ドンがなくなった……

 ベルタ・ドンは、惑星ヴィーンゴールヴのフィメール ドミナンスになっていた。


 息子とモンスター族の嫁の間には孫もでき、徐々に二つの種族は共存に向かい始めていた矢先……ヴァンパイア至上主義がはびこり始めた……


 このままではまずいことになる。

 闇に葬るために、おおっぴらに首謀者を処分できる、あるイベント開催を宣言した……


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 第三短編集 パープル・ウィドウ・コレクション

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 ヴィーナス・ネットワーク・ワールドの有力惑星マルス。

 移住に多大な貢献をした男たちの妻には、名誉刀自という位が贈られ、ささやかながら年金も支給されている。


 しかし、彼女たちはお金には困らない。

 地位も名誉も最大級、ゆえに彼女たちの影響力は計り知れない……

 有閑マダムといってよい、ご婦人方である。


 そこへ惑星テラの後始末が、有閑マダムたちに、いつのまにか、のしかかってきた。


 テラの住民はご婦人方を特別にこう呼んだ。

 パープル・ウィドウ、紫の未亡人と……


 惑星エラムより愛を込めて スピンオフ 『ミコの女た』シリーズの第三短編集。


●第一章 セレスティア・デヴィッドソンの物語 パープル・ウィドウ


 セレスティア・デヴィッドソンは、なかなかの女である。

 この女が、パープル・ウィドウなどという言葉の元凶であろう。


 明晰な頭脳を持ち、結構な実行力も兼ね備えている。

 なによりアメリカの女、鉄火肌で、しかも女はセクシーが第一と信じている。

 そして夫を叱咤激励して、デヴィッドソン財閥を、ナーキッド体制の有力三大財閥の一つとさせたのである。


 その夫、ジョンが死に、それゆえに傾き始めたデヴィッドソンの立て直しに成功、セレスティアは甥を後継に指名、第一線を引退することにした。


 そしてお茶を飲み飲み、余生をどうするか考えていた。


●第二章 長谷川倫子の物語 色仕掛け


 長谷川倫子は、未亡人になって久しい。

 夫は元近衛師団長、のちナーキッドのテラ駐留軍司令官でナーキッド参与の長谷川太郎、最高位は元帥位。

 亡くなった時は、ナーキッド葬になり、ミコが直々に弔辞を読んだ。


 東京新橋の芸者をしていた倫子を、長谷川太郎は後妻にと望んだ。

 先妻の息子は陸軍軍人になって家を出ており、倫子と太郎は、仲睦まじく過ごしていた。

 倫子にとって、夫との日々だけが、人生の全てといってよかったが……まさか、こんな日々がやってくるとは……


●第三章 鈴木駒子の物語 秘め事


 長谷川太郎が亡くなってから三年後、ナーキッド創設以来の最後の最高幹部、鈴木順五郎が亡くなった。


 二人の娘はいまや寵妃となり、妾腹の嫡男が早く亡くなってしまった鈴木家は、財閥である鈴木商会の指導的地位を、親戚のものに譲った。


 マルスの日本地域の首都トウキョウに、広大な屋敷を構える鈴木家の住人も、今は妻の駒子一人、数多くの使用人が忙しく働いているが、寂しさは隠せない。

 そして順五郎の喪が明けたとき、事件が起こった……


●第四章 ローズマリー・ロッシチルドの物語 狩猟


 東南アジアナーキッド領域は成立したが 南アジアはそう簡単ではない。


 ここは核戦争があり、放射能土壌汚染が深刻なのだ。

 その上の酷い環境ホルモン汚染、南アジアは壊滅状態、女たちが少しばかり残っているだけ。


 そこでナーキッドはテラ駐留軍に、しぶしぶながら出動を命じた。

 しかし西アジアはボルバキア菌を拒否した国々、うっかりすると中国大陸の惨状が待っているかもしれない……

 そんな予想はあっさりと覆された、しかし……


●第五章 呉月娘の物語 おやこどんぶり


 マルス撤退後の日本列島、大陸と半島の難民がなだれ込んだ。

 瞬く間に男は死滅してしまったが、劉芙蓉の尽力で何とか安定した。


 引き続き半島を高麗ナーキッド領域として設立、劉芙蓉に再び任せ、何とか安定することになった。

 功績を認められ、芙蓉に執政官の話が持ち上がるが……


●第六章 ヘディ・ハプスブルグ・ロートリンゲンの物語 地に堕ちた世界


 エッダの母、ヘディ・ハプスブルグ・ロートリンゲンは不安を抱えていた。

 娘は容姿も頭脳も、他の女に引けを取らないとは確信していたが、閨に関しては教えていなかったからだ。


 一度里帰りしたエッダを、舞踏会に連れ出し、それなりにミコにアピールする、女の魅力などを教えはしたが、それでも心配なのである。


 同じ時にミコに仕えた、ディアヌやアリシアに比べると、色気という点で、見劣りがすると思えてならない。

 実際はそんなことはないのだが、そこは母親、何かと心配なのである。


 寵妃である娘は、この先長い人生があるが、自分はそんなに長くは生きられない。

 見守り教えてあげる事が出来ない、そんな不安である。


 しかしヘディに、チャンスがやってきた……


●第七章 ハーパー・アルバーンの物語 公募


 いよいよ最後はアフリカ管理官のみ、しかし人材がいない。

 なんといっても会員資格がネックとなった。


 困り果てたパープル・ウィドウ・クラブは、ついに管理官を公募した。

 当初誰も、応募などないかと思われたが、かなりの自薦他薦が……


 やはり若返りは、女たちにとっては魅力的な話、しかもマルスの社会情勢が、いわゆるミコに対して、『おやこどんぶり』を名誉とまで、考えるようになってきていた。

 その中に、とんでもない大物が、一人混じっていた。


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マルスの女たちシリーズ 口上

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 人類は惑星マルス移住に成功し、惑星テラとヴィーンゴールヴとの文化圏を形成していた。


 ナーキッド体制と呼ばれるこの世界は、『献上品』と呼ばれる女官を通じて、地域の意見要望を反映することができる。


 彼女たちは献身的に、ナーキッドオーナーの美子に尽くしている。

 そんな女達の、ささやかな物語を拾い集めた短編集シリーズ。


 惑星エラムより愛をこめて シリーズ の第二スピンオフシリーズ。


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 第一短編集 扶桑の郎女(いらつめ)

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 吉川美子という少女がやってきた……


 我儘なこの少女は、とにかくトラブルを引き起こす。

 そして、なぜか巻き込まれていく美少女たち。

 知ってか知らずか、それが帝国政府を救うことになるのだが……


 マルス移住前後の、大和撫子たちのささやかな物語を集めた 『惑星エラムより愛を込めて』 のスピンオフ短編集


●第一章 富田沙織の物語 盆踊り


 富田沙織は優等生、気配りも出来て成績も上位、ただ華がない。

 どことなく引っ込み思案で、他人の目を気にする……

 清楚な感じではあるが、野暮ったい。


 クラスの委員長としては、うってつけではある。

 そんな富田沙織が、ある日を境に激変した。


 他人の目など気にしなくなり、侍女のようにある女に従っている。

 が、この女を狙って、周囲の女は虎視眈々でチャンスを狙っている。

 その上この女は、すぐにほかの女に手を出す困ったチャン。


 しかも不思議に、出会いの場がやってくる……

 お目付役でもある沙織としては、今日もまずい状況を何とか切り抜けたが、もっとまずい状況に落ち込んでしまった……


●第二章 織田千代子の物語 夏越祓(なごしのはらえ)


 京都の苦界に、身を堕としていた織田千代子。

 水揚げも終わり、遊郭で男に抱かれ始めて一年ばかり……

 やっと身請けされて、東京の女学校へ通う日々、そんな時、ある男を見かけてしまった……


●第三章 華宮洋子の物語 舞踊競技


 スリーシスターズの秋のスポーツ交流戦、春の武道交流戦に惨敗した華族女学校は雪辱を誓っていた。


 インペリアル・シスターの華宮洋子は、勝つために六条晶子を誘って、オディールのインペリアル・シスターと会合を持つことに。


 意気投合した三名は自らの私欲も手伝って、いろいろと良からぬ方向へイベントを計画……


●第四章 鈴木智子の物語 軽免許がほしいの!


 運動音痴の智子さんは、16歳になり、軽免許習得を目論んだが、家族の予測通りの悲惨な結果に……

 余りに危険なので、ついに美子さんに説得の役目が依頼された。


 御蔭で美子さんは、智子さん念願の、一泊二日のドライブ旅行をする羽目に……

 しかしそこは筋金入りの変態美子さん、車中で智子さんに……


●第五章 大迫孝江の物語 或る日の温泉


 マルス移住から五年がたちました。

 愛する康夫さんが、若くして不慮の事故でなくなって二年、少し落ち着いてきた孝江さんに、温泉旅行のお誘いが……


 孝江さんは義妹になる、富田沙織さんの勧めで参加することにしたが……


●第六章 山下梅香の物語 遺産


 ミヤコ・メイドハウスバトラーに任命された山下梅香は、ミヤコを歩く毎日を過ごしていた。


 気になっていた織田千代子の事も解決し、今はメイドハウスの設立準備のために、その敷地を探していたのである。


 そして思い出の学校へたどり着き、そこから土地が見つかり、建物が建ち、テレビ局がやって来た。


 そしてテレビ出演することとなり、その結果、一通の手紙が送られてきた……

 まさか自分にも、千代子のような……


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 第二短編集 鹿の園のエウローペ

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 ナーキッドのオーナー……

 この女はレズでど助平、次々と女を物にしていく極悪女。

 しかし、なぜかエウローペの女達は、このオーナーに尽くしてしまう。


 どこか優しくへそ曲がりなこの女と、エウローペの女たちの、マルス移住前後のささやかな物語を集めた、『惑星エラムより愛を込めて』のスピンオフ短編集 


●第一章 ティアの物語 明日への道


 ティアは瞳を開き、明日を見つめた。

 その瞳に友達の危機が見えた。

 なんとかしたいと姉に泣きつくと、パリまで友達を迎えに行けと云われた……


 ナーキッド撤退決定で、北フランスは治安の悪化が酷く、心配した美子さんがついてきてくれたが、帰りの列車が動かない。

 そこで、車でシュノンソーに帰ろうとするが……


●第二章 ベネデッタの物語 魔法女学校


 ベネデッタは途方に暮れていた。

 『百合の会議』で、ある事を審議してもらおうと、ハウスキーパー事務局に出向くと、ハウスキーパーのサリーから、『いかがなものか』と意見がついたのである。


 しかたなくあきらめようとすると、明日までに再考を命じられた……


●第三章 エッダの物語 招待状


 エッダ・ハスプブルク・ロートリンゲンは、始めての休暇をいただき、ウィーンへ帰ってきた。


 両親の画策で、夏の舞踏会フェット・アンペリアルの招待状が届き、初めての社交界でデビューとなったが……

 シャルル枢機卿がなにやら画策していた。


 華やかな舞踏会の裏側で、大人たちがきな臭い会合を行っていた。


●第四章 クセーニャの物語 移住


 十九歳のアタエフ伯爵令嬢クセーニャは、ある日を境に、天涯孤独の身になった。

 なんとかナスターシャ大公女に仕え、オストプロイセンのケーニッヒベルク城で働いていると、あるお仕事が……


 クセーニャはミハイロフスキー城で、12名の女学生上がりの清女たちと奮闘する羽目に……


●第五章 ハイデマリーの物語 荒くれの町


 アマゾネスの一員、ハイデマリーは、チタニアステーションの管理官に赴任した。

 何の変哲もないステーションではあるのだが、チタニアの銀鉱山の落盤事故の後始末など、忙しい毎日を過ごすことになる。


 山師と娼婦ばかりのチタニアステーション……

 これではいかんと、地域振興のために、定住人口を増やそうともくろんだ


 シルバーマネーにものをいわせ、うまく根回しも進み、計画実現がそこまで……

 しかしあることに気がついた、誰がこの話を……


●第六章 ナスターシャの物語 ロシアの洗濯女


 テラ・ナイトマネージャーであり、麗人のエカテリーナ・ウラジーミロヴナ・ロマノヴァは、マルスの四人のウェイティングメイドを集めて会議を催していた。


 この五人は頭の痛い問題を抱えていた……

 ハウス分離問題である……


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 第三短編集 ドリームガール

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 良きアメリカはマルスに移住した。


 ミコに仕えるアメリカの女たち、あまりややこしいことは苦手のようで、何事も概ねストレートに表現する。


 奥ゆかしいなどとは無縁のようで、明るくミコを誘惑する、セクシー命の女たち。

 失敗などはケセラセラ、チャレンジしないで、後悔するのは許せない!


 そんな女たちの、マルス移住前後のささやかな物語を集めた、『惑星エラムより愛を込めて』のスピンオフ短編集 


●第一章 ミトリの物語 第33独立軽歩兵大隊


 ミトリ・ハゲルは、崩壊寸前のイスラエル南部軍が、市民を守りながら立てこもっているエイラートに派遣された。

 そこでは最後の防衛戦闘が、『カラカル大隊』の生き残りで行われていた。


 脱出の為に時間を稼ぐ『カラカル大隊』、やっときた輸送船には、お気楽にミコさんが乗っていた。


 そして無事に脱出したものの、受け入れ先が見つからない、そこでミトリはイシスを巻き込んである提案をすることに……


●第二章 ケイシーの物語 ネットボール


 ケイシー・ロッシチルドは積極的、アメリカンドリームを夢見て、今日も努力を怠らない。


 せっせと磨き抜いたナイスバディを、これ見よがしに見せつける相手はただ一人。

 その不断の努力が認められ、ついにベティの一号生徒クイーン・ビーに収まった。


 そこで待っていたのは、昨年負けた体育交流の相手とのリベンジ、万全の準備を整えたというのに、再び負けてしまった。

 なんとか二位に滑り込み、秋のトーナメントに勝とうと、自ら猛練習を始めた、その結果は……


●第三章 コニーの物語 コッペハウス


 コニー・アルバーンの母親、ハーパー・アルバーンはテラのブラックアフリカナーキッド領域管理官、側女である。


 ベティのメイド任官課程生徒であるコニーは、母親の仕事の関係で、必ず任官しなければならず、生徒といえど扱いはメイドなみの特別待遇。

 そんなコニーの夏休み、母親は忙しくあまりかまってくれない。


 自宅のマンションでひとりぼっちのコニー。

 そこでバイトでもしようとするが、メイド任官課程の生徒をおいそれとは雇うところなどない。

 何かあったら、とんでもないことになるのは、誰でも知っている。

 そんなコニーに、アルバイトの話が転がり込んでくる……


●第四章 クローイの物語 騎馬警官


 クローイ・アルダーソンには望みがあった。

 なんとしても自らを差し出したい……どんな形でもいい……身を焦がす想いが苦しい。


 そんなクローイを見かねたのか、親友でもあるブレンダが手助けを買って出てくれた。

 二人はどうすればいいのか、露骨な相談を始めた……そしてとんでもない作戦を計画、その結果は……


●第五章 フィオナの物語 神の花嫁


 アーミッシュのフィオナ・メーニッヒは、18歳のある日、神の花嫁に選ばれた。


 初等教育だけのフィオナ、ましてアーミッシュの娘、ラムスプリンガ――掟から完全に解放され過ごす、成人になるまでにアーミッシュとして生きるか絶縁するかを決める――の真っ最中だが、フィオナはつつましいアーミッシュの生活が望ましいと考えていた、それなのに……


●第六章 キャロラインの物語 ホットドッグはお好き?


 キャロライン・ノウルズは、ベティ女子スクール付属小学校のロリータ課程の四回生。

 母親は内縁のまま夫が死亡、その母もキャロライン・ノウルズが五歳の時に死亡している。


 高名な教育学者である、祖母のセシリー・ノウルズに育てられているが、祖母はとても忙しいので、小学校といえど寄宿舎がある、ベティ女子スクール付属小学校の、ロリータ課程を選ばざる得なかった。


 ロリータ課程に受かる以上は、折り紙つきの美少女である。

 ベティ女子スクール付属小学校にも、遠足などというものがあり、今回は遊園地のようで……

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