第39話 放課後 ~真白視点~

話しは少しさかのぼります。


今日の授業はここまで。

数学の担当の先生がそう話す。

真白は机の上に出していた勉強道具を片付け、帰りの準備をする。


もちろん学年一の人気者。

学校が終わると放課後に友達から遊びに行こうと誘われる。

しかし、真白はその遊びも相手を傷つけないように言葉を選び断っている。


友達から遊びに誘われた後、教室から出て帰ろうとすると後ろから声がかかった。

振り向くと、男子生徒が呼んでいた。

真白は、その男子生徒とは面識がなく、名前も知らなかった。


「白崎さん少しだけ時間いいですか?」


真白は、嫌な顔をせずに頷く。

そして、その生徒の後ろを一緒についていく真白。


体育館裏につくと男子生徒が話し始めた。


「白崎さん。いきなり呼び出してごめん。僕は同じ学年の宮田と言います。に所属しています。被写体を探して写真をよく撮っています。その時に白崎さんが映って。実際、白崎さんとはお話したことは無かったですが…。いつも笑顔でいる白崎さんに僕は引かれていて。気づいたら目で追って、好きになっていました。それで、白崎さんと付き合えたらっと思って。友達からでいいので付き合ってください。」


「えっと、告白ありがとう。気持ちはわかりました。」

「では、付き合ってもらえると?」

「ごめんなさい。お付き合いはできないです。友達になるのはいいですよ?」

「なんで…理由は?」

「好きな人がいるからかね。」

「そうですか。わかりました。でも俺はあきらめませんので。今日は失礼します。」


そういって、宮田は一人去っていた。


真白は待ち合わせ場所に遅れてしまうと思い、小走りで向かった。

待ち合わせ場所には、幸いなことに隼人の姿はまだなかった。


少し、待っていると隼人がやってきてくれた。

私の好きな人。

高木さんと一緒にいると胸がドキドキする。

少しずつでいいから、高木さんともっと仲良くできるといいな。



その場面を見ていた人物。

それが、先ほど告白してきた宮田だったのだ。

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