第25話 友情

僕は、白崎さんの口滑りしたお泊りになった経緯を二人に時間をかけて話をした。

何も不純なことは無かった事を説得するのには時間がかかったがぁ…。

とりあえず、夜中に一緒に寝たことだけ言われなくて良かった…。

たぶん、これ言われてたら納得させることはできなかったと思う。


「隼人。暗くなってきたし、俺たちはとりあえず帰るわ。」

「おう。わかった。」


僕たちはあの後、色んな話をして時間が過ぎていった。


「そうだ。帰る前に、隼人。ちょっとだけいいか?」

「ここじゃダメなのか?」

「まぁ、とりあえずな?」

「ちょっとだけ隼人の部屋に行って話してくる。」


「わかりました。何しに行くんです?」という白崎さんの質問に対し、

「男には大事な話が時にはあるんだよ!」とよくわからないことを言っていた。


「隼人。白崎さんの事応援するぞ?」

「応援って?」


翔が唐突に応援するとか言い出した。

何を応援するんだ?


「隼人は、白崎さんのことが好きなんだろ?」

「正直言って好きとかはよく分からないんだ。」

「いや、あれだけ関係あるのに好きじゃないとかありえないぞ?」

「確かにそうなんだけどな。でも、白崎さんと一緒にいるのが嫌いとかではない。一緒にいるのは心地いい感じはするけど、恋愛の好き嫌いとか本当にわからないんだ。それに僕は大切な人を作りたくないんだよ…。また何があるかわからないからさ。」


隼人は、自分が思っていることを本音で翔に話した。

翔は、隼人が子供の頃に遭った事故を知っている。翔と綾は幼なじみで、両親たちも仲良くしていた関係だったからだ。


「隼人。あの事故はお前が悪いわけではないよ。大切な人を作らないって言ってるけど将来、結婚とかもしないで一人で生きていくのか?それにさぁ、俺と綾は幼なじみだけど大切な人じゃないのか?俺はお前のことを親友だと思ってるぜ?これから先も。すぐじゃなくてもいいからさ。ちょっとは考えなおして先を見たらどうだ?」


翔の言葉に何も言い返せない。でも、僕は…


「いつもはただのチャラ男のくせに、たまにはいいこと言うよな。」

「なんだよ!これでも俺はお前の事心配してんだぞ!」

「冗談だよ。ありがとうな?」

「おぅ。まあ、協力はするからよ。」


これぞ、男の友情っていうのかな?

二人で照れあいながら笑う。いい親友を僕は持ったなと改めて感じた。

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