第20話 翌朝

「うぅん…朝かぁ…。」


時計は10時半になろうとしていた。

「なぜだろう寝たはずなのに寝た感じがしない。それにすごく疲れた…。でも、起きるかぁ…。」と、隼人が体を起こそうとしたら体に違和感があった。

掛け布団をめくるとそこには隼人の体周辺に抱き着いている白崎さんがいた。


「僕は抱き枕かよ…。」


白崎さんが気持ちよく寝ているのでそのまま寝かせてやろうかなと思いもう少しだけ寝たままの体勢でいたのだが…

たまに白崎さんが動くので…動くたびに胸の感触がダイレクトに伝わってくる。

それを隼人は紳士的に我慢し、三十分後…白崎さんが目を覚ました。


「むにゃむにゃ…高木くん…おはよぉ…」白崎さんが笑顔で挨拶してきた。


僕はその笑顔にドキッとしつつも、冷静に、


「おはよ。ゆっくり寝れたかな?」

「はい。とてもすっきりとした目覚めです!」

「そう。それはよかった。カフェ・オレ用意しておくから顔洗ってきたら?」

「そうします。あっ、高木さん昨日はありがとうございました!」


そういって洗面所に向かう白崎さんの後ろ姿を見送るのだった。


先に顔を洗い終わった白崎さんがソファーの上で待っていた。

「そうぞ。カフェ・オレ」

「ありがと。ふぅ~。高木さんのカフェ・オレはおいしいですね。」

「ありがとう。」

二人で、飲み物を飲みながらゆっくりしていた時に白崎さんが聞いてきた。


「そうだ。高木さん!連絡先教えてください。」

「へっ?」

「だから連絡先です!高木さんの連絡先知らなくて不便なんです。」

「あっ、そういう事ね。じゃあこれね。」

「はい。ありがとうございます。」

「おぉ~白崎さんの連絡先。これを男子生徒に売ったらいい金になるんだろうな…」

「やめてくださいね?」と目を細めてじぃ~と僕の方を見てくる。


「あれ?声に出てた?やらないよ。ただ男子生徒全員が欲しいっていうものなんだろうなと思って。なんだって学年一の美少女と言われている、白崎さんの連絡先だしと思っただけです。」

「学年一の美少女なんて言わないでください。せっかく高木さんと仲良くなれたと持ったのに…。ちょっと距離ができた気がします…。」と白崎さんがぶぅ~とほっぺを膨らまして拗ねていた。

「ごめん。ごめん。ちょっと調子に乗った。」

「ふふっ。冗談です!」としたをペロっと出していた。

「ひどぉ!」とやりとりをし、賑やかな朝を迎えた。

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