第19話 お泊り 後編

とりあえず、めくれたシャツをもとに戻し背中と太もも当たりに手を差し込み、いわばお姫様抱っこで運ぼうとしている状態。

お姫様抱っこをしているときに隼人はあることに気が付いた。

それは、白崎さんの胸だ。胸が異常なまでに動くのである。それに背中を支えている腕にはホックのような固い感触がない…。

それを知った僕はついつい白崎さんの胸に目を向けていまう。


僕が問題を起こす前に、白崎さんを部屋に連れたかないと。


白崎さんをお姫様抱っこのまま部屋に連れていき、布団にそっと寝かせつけた。

とても気持ちよさそうに寝ている。

「おやすみ。白崎さん。」そうつぶやき、部屋の電気を消し戸を閉めた。


はぁー疲れた…。時計を見るともうすぐ24時になるところだった。

僕ももう寝るかぁ…。自室のベットに入り電気を消し就寝したのだった。



就寝してから数時間が立ち、隼人も自室のベットで眠りに落ちていた。

しかし、隼人の部屋のドアが開いた。


「たっ、高木さん…すみません…」と隼人のほっぺをツンツンしてくる。


なんだ?誰かに呼ばれているのか?それともただ夢を見ていただけか?

でも、誰かが僕のほっぺをツンツンしているような感じが…


「うぅん…」と隼人が目を擦りながら開ける。

目に映ったのは、月光に照らされている頬を染めた白崎さんだった。


「白崎さん!?どうしたの?こんな夜中に…」

「高木さん…寝ているところ起こしてごめんなさい…。私、ソファーの上で寝てしまったようで…。しかも、お部屋にまで運んでもらって…。目を覚ました時に、お部屋が暗くて怖くなってしまって…。高木さんのお部屋に来てしまいました…。」

「えっと…」

「で、あのですねぇ…。一緒に寝てもらえないですか…?」消え入りそうな感じで聞いてくる。

「本気?」

「本気も本気です!お願いします!」


一緒に寝ることはベットの広さ的には問題ないけど…

僕が寝れなくなりそうで…


「お願いされてるけど、どうせ僕には拒否権ないんでしょ?」

「ふふっ。ありません!」

「じゃあ、寝るのはいいけどベット半分にして右側が白崎さんで、左側は僕のエリアね。」

「ありがとうございます!」


こうして、二人で寝ることになった。


同意してしまったけど、緊張して睡眠どころじゃないよ…

これは朝まで眠れそうにないな…。はぁ…。


「高木さん。まだ起きてますか?」

白崎さんに背を向けて寝ている隼人に向かって声をかける。

「まだ起きてるけど?」

「手を握ってもらえませんか?」

「はぁ…はい。」

「ふふっ。ありがとうございます。高木さんの手暖かくて心地いいです。これなら…眠れそう…。」とそのまま白崎さんは寝てしまった。


隼人は白崎さんのに少しだけ体を向けて、気持ちよく寝やがってと言いながら、ほっぺを突いたのだった。

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