第15話 トラブル
集合場所に戻ると…騒ぎになっていた。
騒ぎの近くに行ってみると、白崎さんに三人組の男が言い寄っていた。
確かに、白崎さんが一人で待ってれば、ナンパされるよなぁ。
だって、可愛いし、やさしいし。
僕が白崎さんを知ったのもナンパを助けたのがきっかけだし。
そんなことを考えていると、少し怪しい雰囲気になってきたので援護に入ることにした。あいにく人だかりができていることもあり、トイレから出てきた感じで対応できそうだ。
「カノジョ、俺らと一緒に遊ぼうよ!お金ならいくらでもあるし。」
「いいところいけるよ?おいしいご飯もごちそうできるし。」
「欲しいものなんでも買ってげるよ?」
「結構です。私は友達を待っているので。あなた達とは遊びませんし行きません。迷惑なので何処かへ行っていただいていいですか?」
「さっきから下手に出てれば…このやろ!」と、
白崎さんの腕をつかんで連れて行こうとしたので、白崎さんの後ろからその男の手を払った。
「あっ、高木さん…。」
「ごめんね。遅れちゃった。」
「僕の連れに何か用ですか?」と睨みつける。
男たちは、僕の睨みに怯んだのかその場を立ち去っていた。
「ふぅー。白崎さんに何事もなくてよかったよ。」
「高木さん…。また助けて頂きありがとうございます。」
「大丈夫か?」
「はい。大丈夫です。きっと高木さんが助けに来てくれると信じてましたから!」と笑顔でいう白崎さん。
「今回は、助けられたけど。必ず助けられるわけじゃないからね?白崎さんは可愛いから目立つんだらさ。」
(高木さんに、可愛いって言ってもらえたぁ!嬉しいな!初めて可愛いって言ってもらえちゃった!)
「うん。ありがとう。迷惑かけてごめんね?」
「わかってくれればいいよ。」と微笑みながら言う。
「あっ。笑った。高木さんが笑った!」
「白崎さん…僕も人間だからそりゃ笑うよ?」
「違う。高木さんずっと難しそうなこと考えてる顔だったし、私の前では初めて笑ってくれたんだよ?気づいてない?」
「そうだっけ?全然気づいてなかった。」
(そういえば、ずっと笑うということをしていなかったのでは?白崎さんとあってから毎日が楽しいように感じがする…。)
「ふふっ。高木さんは笑った方がいいですよ。何もしなくてもかっこいいですけど、笑ってる顔の方が私は好きです!」
(!?白崎さんの好きという言葉に胸がドキッと高鳴るのを感じた。白崎さんの好きは笑顔が好きということだ。決して恋愛感情の好きではないと言い聞かせる。)
「これから意識してみるよ。」
「はい!そうして下さい。時間も時間ですし夕食の材料を買って帰りましょうか!」
「了解!」
二人で夕食のカレーの材料を買いに行くのであった。
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