オタクな女子大生の日常

月猫

第1話 西條明日香という女子大生

 私の名前は西條明日香!一見普通の女子大生って思うかもしれないけど、中身を開けるとオタク要素満載の女子大生。今までの私は周りの同じ学科の仲間には、自分がオタクだっていう事をバレたくないのでなるべく隠していたいけど、今はもうどこからどう見てもオタクだと主張するかのように正々堂々としている。


 そんな私の1日の始まりは自分の部屋で今日の授業の準備をする際に、授業で普段使っている推しのクリアファイルを眺めて一人一人に話しかけてからバッグに入れるというのから始まる。

「今日も推しがかっこいい!それじゃあそろそろ行かないと!」

周りから見れば痛々しい女の子に見えるかもしれない。何故ならば電車の中でイヤホンをしてアニソンを聞きながら、推しキャラのかっこいい画像を見てニヤついてる事が極稀にあったりしているからだ。電車やスクールバスに乗りながら等の移動時間の合間に聞くアニソンは、私の中では唯一の癒しの時間でイヤホンを忘れた暁には途中のコンビニで多少値段が高くてもイヤホンを購入するという事もした。


 学校に着くと私は素早く後ろ側の席に着き、なるべく人と距離を取って誰もいない席に座る。私はあまり人と話すのが苦手・・・というよりは自分のオタク趣味を邪魔して欲しくないので敢えて距離を取っている事もある。しかしながら私自身の事を振り返ると、極度のコミュ障というのが数多くある私の中での欠点の唯一の欠点なので友達以外の人に話しかけられたら話せなくなる。それが原因であまり友達がいないけれど、友達といる時間はかけがえのない時間だ。席に座ってする事といえば、朝ご飯を食べながらイヤホンをスマホに繋ぎYouTubeで動画を見ながら一人で授業開始までの時間を過ごす。これがまた私の中での大事な時間で、自分の癒しの時間なのだ。


 授業が始まると即座にイヤホンを外しスマホを自分の近くに置き、ルーズリーフと筆箱とアニメのクリアファイルを展開する。そして黙々と講師の話を聞いてメモを取ったりプリントの内容に目を通して問題を解いたりとしている。だが私にとってみればこんな事をする暇があるのならば、アニメ見たいしオタ活も嗜みたいと思う。でも一応成績だけは良くしたいし、単位も多く取りたいのでその衝動をぐっと抑えていた。

そんな私の中での授業中に最も聞きたくないワードが今宵も降り注ぐ。「ペアワーク」もしくは「グループ」先程も話した通り私は極度のコミュ障なので話した事が無い人やそこまで仲良くない人と組むのは苦手だ。しかしながら講師は問答無用で容赦なく私を余っている所に入れる。何よりもオタクというのが所持品からバレるので、あまり私は誰とも関わらない講義スタイルを望む。


 授業が終わった後の10分間の休み時間は、自分の時間をなるべく確保したいが為に早急に教室に向かって歩き出すのだが、私の移動スタイルは音楽聞きながらの移動スタイル。これで私の時間を友達以外の人や仲の良い先生以外の人は話しかけないであろうスタイルを確立させる。そして教室に着くと席確保ガチ勢が多くいて、下手すれば前の方の席に座らざるを得ないがそれはまさに授業中に私の時間を妨害せざるを得ないと遠回しに言っているのと同じではないだろうかと勝手に思っている私は何なのか。


 昼休みは食事を取るか取らないかの選択があって、私の場合は学校の購買で速攻で昼食を確保した後に軽食堂でなるべく人目につかない席でご飯を食べるのが定番だった。この時にアニメを見ながら食べる時間は至福のひと時で、もしこの時間を友達以外の人に邪魔されようものなら発狂せざるを得ない。もしくは友達以外の人に話しかけられて邪魔されたら、言葉には出さない代わりに威圧感と雰囲気で邪魔しないで欲しい事をアピールする。(ちなみに大体は通じる)


 全ての授業を終えてやっと一人になれる最高の時間といえば、みんな大好きな放課後である。私はあまり一日に授業を履修しないので空きコマが多いのだが、空きコマの時間は1時間30分しかないという限られた中での休憩時間。しかし放課後は無限に時間がある為、自分の時間に最大限の時間を費やせるので私からすれば天国だった。私の場合は大体学校の図書室に籠って学校用のノートパソコンを起動させて、課題があればそれを先に片づけて尚且つ課題レポートがあればそれも早めに終わらせて講師にメールで提出してから自分の時間を過ごす。そして友達が授業が終わるまでの貴重な時間を私は図書館で過ごす。スマホの充電をしてからまずする事は、イラストの描き途中のものを誰の目にも触れない程度に見張りつつ描き始める。大体は自分の好きなアニメの主人公やキャラクターを描くが、最近だと好きな実況者さんのイラストを描く事が多い。そしてある程度終わったら、YouTubeで好きな動画を見てほっこりとした時間を過ごす。しかしこの時一番私にとって少し痛いのは、友達が授業を終えて図書室に迎えに来てくれた瞬間。何故ならば私の友達は非オタで声優さんも何となくしか知らず、ましてや実況者さんも知らないという私からしたらパターン青の非オタ。という事は私はいつもイヤホンをしてパソコンで動画を見ているので、友達が迎えに来ても存在に気づくまでは自分の世界にいる為気づいた時に大概言われるのが「この人達誰?」とか「え、この人達何してるの?」という言葉。その対応はいつも私が熱弁して説明するのだが、それでよく言われるのが「うーん、よく分かんないや!(^▽^)」←一番この言葉が嫌い。


 まあ何はともあれ、私西條明日香はオタ活をしつつ日々の大学生活を過ごしている。辛い事もあるけれど、友達や推しに支えられて何とかこなしている。これからまた始まる新たな道に向かって突き進んでいこうと思う。

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