第26話 勝利そして新たな力

「お前らを倒せば帰れるんですね?」

「もちのろん!」

3人正直きつい、相手はガブリエル級が3人か。

しかし、尻尾を巻いて逃げるわけにはいかない。


今出せる最速の動きでウリエルに仕止めかかる

右ストレートで打ち抜く!

スパ!

「ぐ!接近戦は厳しいか。」

目にも止まらぬ速さでウリエルの細剣に腕を斬られる

周りの被害は気にしておけないか。

「あれ?もしかして周りのこと考えてる?それは大丈夫、

僕が結界張っといたから。どう?君の力と比べて万能でしょ?」

そうか、しかし天照様の力を馬鹿にすることは看過できないな。



 火絶級魔法<世界殲滅砲テラ・クリムゾン・レイ>

3人を一気に終滅の炎が包む。

「これで足りる………わけないよな。」無傷で煙を払う3人。


「焦ったいから早く殺す。」ミカエルは物騒だな

「うーん、わかった。」「りょ〜かーい!」

 三位一体<神の怒り>

赤と黄色と青が混ざり大きな人の形を作る。

「くらえー神の鉄槌!」

巨人が拳を振り下ろす


<天照の荒魂>


小さな太陽と大きな神の拳がぶつかり合い拮抗を見せるが、

「ザンネーン!僕たちのが上だったね。」

無理だったか


「ごめん、ラー、雄也、もう会えないや。愛してるよ……マリア。」

太陽を突破した拳が僕に降りかかる

………………

「はっ!ここは?高天原たかまのはら?」

顔を上げるとそこには懐かしい顔が

「天照様!なぜここに?」

「この世界はガブリエルが作った世界ではあるが我の力をもってすれば

入れぬ道理はない。

リクよ、汝は、まだ死んでおらん。我の力を大幅に渡す。

さすれば奴等に勝つことも容易い。」

「しかし、もう僕の体にはこれ以上耐えられる容量がありません。」

「大丈夫、私とそしてお前があちらの世界に残してきた大切なもの達を

心の底から思い出すのだ。」

「マリア達を。わかりました!お願いします。」

彼女の右手が僕の肩に触れ流れ込む懐かしい感覚。

「ふぅー。大丈夫だ。」

「当たり前だ。お前ほど私の力と相性が良い人間はおらん。」

「では、行ってきます。」


「あれ?間違いなく直撃したよね?

君が生きてるわけないんだけどなー?」

「そうですね。何度も助けられてばかりですよ。」

「関係ない。さっきの技を私達は一回しかできないわけじゃない。」

「何度でもいくよー」

三位一体<神の怒り>

またしても僕に直撃する

そこから何事もなかったかのように

佇む僕は告げる

「そろそろ終わりにしましょう。」


「嘘!?」「ありえない。」

「なぜ僕を狙うのかの理由はガブリエルに聴くとしましょう。」

「八百万の神々よ。主神の使徒たる僕に力を貸せ。」


<この世界に終滅を>

無色透明、何も見えない。しかし圧倒的な存在感。

だが見える必要もない。どうせこれを喰らえば死ぬのだから

「たんまーーーーーーー!降参します!

ここで死んだら元の世界に帰っちゃうのーー!」

「降参する、いいよねウリエル?」

「いやー絶対負けないと思ってたんだけど強すぎるなー」

「僕だけの力じゃありません。」

「じゃあ今から帰る?」

「いえ、学校が終わってからでいいですか?」

「いいよー楽しんできて。それに彼らは皆んな本物と同じだからね。

地球の記録で作った世界だから。」

「そうですか。」




昼休みは終わり、次の授業は体育だ。


体育の授業は男子も女子もサッカーだが女子は観戦してるだけだ。

正直この学校は進学校なので運動に力は入れていないが唯一男子サッカー部だけは力を入れているので体育の授業であってもかなり厳しく評価する。

今までの僕はサッカーを含め運動は苦手だったが、

今の僕は違う。

「おーし!今日勝った方には成績に色つけてやるぞー。」

そんなこと言っていいのか?

「まじか!俺本気出しちゃおかな。」

春馬はいつも本気を出していただろう




「それじゃあ始め!」

僕のキックオフで始まる試合。

僕はゴールへ向かってボールを蹴った。

「は?」敵も味方も先生も女子も全員唖然としている

そこから僕の蹂躙を始める。


「試合終了。結果198対0」

やり過ぎたかな?まあいいでしょ。

キックオフのボールを奪いそのままゴールしたので

20秒程で決めた時もあったがまあ納得のいく結果だ

「おい、陸。お前今日どうした?」

なぜ校舎裏にいる僕のところへ?わざわざ探したのか?

「春馬にはわかりませんし、話す必要もありません。」

「お前がそんなスゴくなれる方法どうやったんだよ。

俺にも教えてくれ、俺たち親友だろ?」

そう言うことか

「親友?」握った拳から血が滲む

「親友の恋人を奪うのが親友ですか?」

「はっ?お前何言って?」

「恵さんと付き合ってるんですよね?」

「陸ー、どこにいるのー……ん?」

「おー恵、どうした?」

「ん?さっき陸がすごかったからご褒美に私をあげようと思って。」

「いりません。」

先程のウリエルの話が本当なら2人は僕を裏切っているのだろう

「もういい加減に白状したらどうですか?

僕のことなんて何とも思ってないと。」

「え?何で?陸は幼馴染で私の恋人でしょ?

それに私強い人大好きだから今の陸は絶対どんなことからでも私を守ってくれるよ。」

「は?恵お前を守るのは俺だろ?」

「え?春馬は幼馴染でしょ?今日のサッカーの試合見てわかった。

恋人に守ってもらうべきだって!」

初見で聞いていたらなんの事かわからないだろうが

生憎二度目でな。そんなに強い男が好きなのかこの女?

「僕が守るのはあなたではありませんよ。

あなた方が僕を裏切っていたのは知っているんです。」

「へ?何で?でも、今は違うから!本当に陸が好きだから!」

「俺は恵とは幼馴染でそれ以上でもそれ以下でもないぜ。

たまに2人で出掛けた時もあったけどよ、それは幼馴染なら普通だろ。」

「もういいんです。これまでありがとうございました。

でも2人には感謝もしています。

そのおかげで大切な人が出来ましたから。」

「待って!………いない。」


!?僕の体がリクの体になっている?

「え?誰あのイケメン?やばくない?」

「でも髪も目も赤いよ?」

「あれ染めてるの?でもかっこいいなあ。」

教室に入るが誰も僕だと気づいていないようだ。

「雄也、少しいいですか。」

「まさか、陸か?」

「はい。ここだとうるさくなるので。」


「ああー行っちゃった。」


「陸なんだよな?」

「はい、手短に話すと僕はもうこの世界の人間ではないのです。」


「もう?」

「はい、一度死んだんです。

ここから去る前にあなたに伝えたいことがあります。」

確かに向こうの世界でも雄也には会えるだろう。でも今この目の前にいる雄也に伝えないわけにはいかない

「ありがとう。」

「よくわからんが、どういたしまして!

でもよ俺らの仲で礼なんて水臭いぜ。」

「そうですね、では教室に戻りましょうか。」

「おう!」

教室に戻ると恵に話しかけられた

「ん?陸だよね?」

わかるのか?

「あのね、私………『はーい、リクくん!帰るよー。ちょっと用事が出来てね。』

教室に入ってくる人間にしか見えない超絶美女3人

「うわ!やばくね?美人すぎるだろ。」

「それもそうだけど陸ってあの赤髪が?」


「わかりました。雄也さようなら。」

「ちょっと、陸!」

 <異世界門アナザーワールド・オブ・ゲート>

何か恵が言おうとしてた気がするが気にせず門を潜る

「ガブリエルも倒さないといけないけど殺さないでねー。」

「それはお願いする。私たちも協力するから。」

「ちょっとリク君タイプかも、どうお姉さんと今夜。」

「遠慮しておきます。でも一応言っておきますね。

ありがとうございました。」

それだけ告げ僕は戻る

異世界愛すべき世界


















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