ブリーズガール

はみがき

プロローグ

これは日記のようなものなのだ。僕はその日あったことを便箋に書いて残しておく。だから君は、好きな人からの恋文を読むかのようにうきうきしながら読んだら良いのだ。ちなみに僕は好きな女性からのラブレターを読んだってうきうきすることはない。そもそも僕に好きな女性は今のところいないわけだし、僕は勉強熱心であるから、恋愛に現を抜かすことなんてないわけだ。僕は毎日たくさん勉強をする。たくさん本も読む。おばあちゃんは、僕が勉強をしていると、まるで大人のようだと言ってくれる。でも僕はまだ子供だ。大人になるまではまだ4000日近くあるし、年末にはサンタさんだってくるのだ。話によると、サンタさんは子供のところにしか来ないらしい。とにかく僕はまだ子供だ。しかしながら僕は思うのだが、きちんと勉強をして、たくさん本を読む僕は、大人以上におとなであるのではないだろうか。僕は僕以上におとなである大人を知らない。そういう意味で、僕はきちんとおとななのだ。



僕は不思議に思う。僕は毎日お散歩をして、たくさんの人とすれちがうけれど、いつも川沿いのベンチには同じお姉さんが座っている。僕が前を通ると、お姉さんは僕の名前を呼んであいさつをしてくれる。今日もそうだ。本を読んでいたのに、僕が近づくと顔も上げずにお姉さんはこう言うのだ。

「やあ、優太くん。今日も元気かい?」

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ブリーズガール はみがき @__hamigaki

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