【21 倉⇒郷 アナタにとって最高のタイトルとは?】回答。
僕にとっての最高のタイトルとは何か?
タイトル問題は難しい部分がありますよね。
例えば、中村文則の「銃」というデビュー作が僕は大好きなのですが、これは新潮新人賞を受賞しました。
純文学の賞です。
「銃」というタイトルが新人作家が許される小説界隈は純文学だけだと僕は思います。ライトノベル、一般文芸あたりは完全にアウトでしょう。
ミステリーやSFは短編であれば、許されるかも知れませんが、そのタイトルで出版されるイメージは湧きません。
ただ、翻訳小説にはありそうですね。
「銃」
ミステリーか、短編集あたりのタイトルになりそうです。
最近、アリ・スミスの「秋」という小説が話題になっていますね。アリ・スミスは現代のイギリスを代表する作家です。
気にはなりますね。
イギリスの作家が書く「秋」というタイトルの小説。
個人的にタイトルはそれだけで独立せず、あらゆるバックホーンがあって成立するように思います。
その上で、最高のタイトルとは何かを考えますと、「蹴りたい背中」「人のセックスは笑うな」あたりは、最高!って思わず言っちゃいますね。
とくに僕が最高に好きって思うタイトルは、小説を読んだ後に、もう一度タイトルに戻ってきた時に、そういうことか!って思えるものです。
例えば、綿矢りさ「蹴りたい背中」は主人公の女の子が、同級生の男の子の無防備な背中を蹴りたいと欲望するのは、一種の性衝動だと解説で書かれています。
女の子の性衝動がタイトルだったんだ、と分かった瞬間「蹴りたい背中」の女の子は最初からずっと、その衝動を抱え込んでいたんだと気づきます。
それを前提として読むと一回目の読みとは異なった味わいが出てきます。
小説における僕の最高のタイトルは読んでみると、なるほど、だからこういうタイトルなんだ、と納得ができるもの。
そして、その納得の上で二回目を読むと、また違った味わいを感じられるものです。
あくまで僕の考えですが。
あと、単純に良い小説は何度も繰り返し読みたい派なので、その度にタイトルに戻ることで印象が変わる作品も大好きです。
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