僕とライターとオーサーの違い

高ノ宮 数麻(たかのみや かずま)

第1話 モノを書くことは商売か、それとも…

「何かを創りたい」と思ったとき、人はさまざまな方法でそれを表現しようとします。


ある人は絵を描き、ある人は音楽を奏で、ある人は小説を書いて自分の「内にあるモノ」を表現しようと試みます。


しかし、何かを表現しようとするとき、その「出発点」と「到着点」を比べてみると、「あれ? 僕が創りたかったモノと違う…」という事態がたびたび起こります。


これは、創作技量が不足していて「自分の表現したいモノが表現できない」という場合だったり、創っていくうちに「目的が変わる」という場合もあります。


頭の中や心の内にあるモノをそのとおりに表現するためには、とにかく自分の技量を上げるしかありません。自分の表現したいモノが具現化しないというのは創作者にとってこれほど辛いことはありません。鍛錬は苦痛を伴いますが、救いなのは「いつか必ず技量不足は乗り越えることができる」ということです。


問題なのは「創る目的が変わってしまう」ことで創りたいモノが創れない場合です。創る目的が変わってしまうということは、創る「意味」が変わることでもあります。


私がモノを書くきっかけとなったのは「意見の発信」をしたいという些細なことが動機でした。今なら「そんなのSNSでやったら?」といわれそうですが、当時の私はいくつかのオピニオンサイトに「投稿」という形で発信を始めました。


何年か投稿を繰り返すうち、ある有名サイトで不定期ですが連載を持たせていただくことになりました。それをきっかけにさまざまなサイトで色々な記事を書かせていただくことになり、報酬も少しづつ増えていきました。

報酬が増えることはモノを書く人間にとってとても嬉しく誇らしいものです(筆者の独断ですが)。


いま私は、いつの間にか当初の目的だった「意見の発信」ではなく、編集社から求められるままに「よりウケる記事内容」、「より売れそうな題材」について書き続けています。


別に売るための執筆が悪いわけではありませんし、読んでくれそうな人が沢山いそうな記事を書けば、PV数も上がっていき、モノ書きとしてのモチベーションも上がります。


でも、無性に自分の書きたいモノを書きたいなあって思ったときは、カクヨムを訪れています。


いつか、本当に自分の書きたいことだけを書いて、それでお金がもらえるモノ書きになりたいなあ。


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