ディアヴェイン英雄譚

じょに〜

第1話

俺の名前はアダム。この辺境の村スパンデムに住む特に特徴のない平凡な子供だ。

母はこの村で酒場を女手一つで切り盛りしており、父は冒険者だったと聞いているが、俺が今よりも小さい時に死んだと聞いており、思い出というか形見として残された指輪だけであり、サイズが合わないため、チェーンを通して首に掛けていた。


俺は父親がいない事でよく虐められていた。

その日も村のワンパク兄弟から虐めを受けていた。


「お前の親父は冒険者だったらしいなぁ」

「そうだよ兄ちゃん!きっとこいつの父親だから、こいつみたいに弱っちくて、その辺でさっさとくたばったんだよ!!」

「どうせだったらお前も連れられて一緒に死ねばよかったんだ!お前が視界に入るとイライラするんだよ!!」


そう言って思い切り腹を蹴られ後ろに吹き飛んだ際に、普段シャツの中にしまっていた指輪がシャツからでてしまった。


「なんだぁ?こいつ男のくせにネックレスなんかして」

「やめてくれ!それは父さんの唯一の形見なんだ」

それを聞いて兄の方が口元を歪めて笑った。

「それはいい事を聞いた。じゃあこれを森の中に隠してやろう。こいつの悔しそうな顔を見れば少しはイライラも解消するかもしれないからな!」


そういって俺から形見の指輪奪い、村の外の森へ向かって行った。


「くそっ!」


俺は思い切り蹴られた事で動けなくなっていたが、少し休み大分動ける様になったところで2人が入って行った森へ入って行った。

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