第23話 ■朝のホームルーム
男尊女卑法が施行されてから、
毎朝のショートホームルームでは彼女たちの生徒手帳に目を通すことが日課となっていた。
そこにか彼女たちの、昨日の排泄回数、時間、使用したトイレットペーパーの量などが記載されていて、時々彼女たちの表情を見つめながら、理由を問うたりするのが楽しみから日課に変わろうとしている時期でもあった。
以前よりも正された規律のおかげか、起立・礼・着席の三拍子もかなり気持ちのいいものだ。
号令を終えると出席番号順に手帳を提出する列ができる。
彼女たちの大半は笑顔で私に「確認お願いします」と申し出てくる。
僕は手帳を開いた状態で提出させ、そこに記載された本日の下着類着用物の項目にだけ目を通して、彼女たちの目をみて挨拶をした。
他にも様々な項目があるが、そちらにまで目を通す時間は無かったのと、これから日直を壇上に立たせ、彼女の生徒手帳を確認して本日の所持品と理由を求めた。
「おはようございます。今日は私が日直を務めます。よろしくおねがいします。今日の私物はこちらです。まずリップクリームは唇の感想を防ぐためで、鏡と化粧ポーチは自分磨きのためです。他には教科書とか筆記用具が入ってまーす。
そして、下着は黒です。理由は、最近駅の階段とかホームとかでも下から撮影してもらえることが多くなったので、色のついてる下着はちょっと恥ずかしいなぁって思ったからです。あ、黒パンではありません。暑いしダサいので黒パンは履きませーん。先生これで終わりでーす。」
スカートを少したくし上げてこちらに笑顔を向ける彼女の姿は慣れたものだった。
最初の頃は声が細かった彼女も、中途半端な挨拶ではやり直しとなることを覚え、震えた声や小声は、自分自身に惨めさを植え付けてしまうことを知り尽くしたようだった。
「よろしい、では昨日の排泄回数および種類についてと備考」私は淡々と何かを読み上げるように言った。
「は、はいっ。昨日は小便9回 大便0回です。いつもと同様、登校前に必ず2度行くのと、学校での4回、下校後の4回です。いつもは学校では6回するのですが、昨日は4回ですみました。下校途中に一度コンビニで用を足したあとは、自宅で3回おこないました。今日は健康管理の面でも排便することを心掛けて一日を過ごしたいと思っております。本日も一日よろしくお願いします。」
「よろしい!」
「起立!!」皆が一斉に立ち上がり「礼」深々と頭を下げる。「着席」彼女たちが静かに座った時、教室内には女学生独特の甘い香りが漂った。
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