【男尊女卑法によって支配された学園】~常識改変され始めの日常をご覧ください~ 男尊女卑法シリーズ
村上夏樹
第1話 職員室
前書き
本日より男尊女卑法が施行される。
この法案ができるきっかけとなったのは、男女平等を訴える女性側の運動からだった。
彼女たちが勝ち取った平等の権利は、筋違いな方向で暴走し始めたことと
義務教育の時点から女子は男子男性を軽視するようにもなり始めていた。
やがて男性としての威厳を失っていき、女性からは弱者と見られるようになった男性の増加に歯止めをかける目的もあった。
国民投票によって見事3分の2の数の賛成票を勝ち取り、新たなる男尊女卑社会を作るであろう法案があっさりと制定されてしまったのだ。
この法案の話がではじめたころの国民調査では、反対意見が90パーセント以上を占めていたが、蓋を開けてみると男性の殆どは勿論、女性の半数近くまでもが賛成票をいれていたことが明らかとなった。
サディストとよばれる女性たちは反対票を投じたが、マゾヒストである彼女等は賛成票に投票したと予測されていた。
これは強欲な男性側と、人権無きような扱いを希望する一部のマゾと呼ばれる性癖を持つ女性の票によって可決された立派な法律である。
僕は偏差値の低い女子校に勤務する男だ。
女子校と聞いて羨ましがる奴もいるが、働いてみてわかったのは、実際はそんなに優雅でいいものではない。
こちら側が厳しく注意出来ないのをいいことに、彼女たちの教員への舐めた態度は当たり前であり、
先生の名前を呼び捨てでよんだり、少しでも体が振れればセクハラとののしられ
授業開始前には着席してないくせに、授業の終了時間が1分間伸びただけで文句をたれるやつ、チャイムが鳴ったとたん勝手に出ていくやつなど、困った生徒も実に多いのが現状であるが、すべての生徒が生意気な女というわけでは無い。
しかし、どうしても生意気な奴のほうが目立ってしまい、まじめな子ほど影が薄れるのも現状だ。
そんな学校へ向かう道中、普段なら憂鬱な向かい風を受けながら学校へ足を運んでいえるのだが、今日はいつもと少し違う風を感じた。
『男尊女卑法』が施行された初日。
■初日
「おはようございます」
普段は重いはずの職員室の扉は、心なしか軽かった。
いつもと変わらない風景かと思われた職員室にも、男尊女卑法の波は訪れていて、
各デスクの上にはいかにも政府が発行しそうな、男尊女卑法のガイドラインと思われる冊子が既に配布されていて、こういう時の政府の対応の速さには正直度肝を抜かれた。
いつも通り自分の席に着こうとすると、足元から声が聞こえた。
驚いて見ると、家庭科担当の女性教員の 安藤先生 が片膝を床について挨拶をしていた。
「あ、、おはようございます。」一瞬戸惑ったが、あえてそのことには触れずに挨拶を返した。
「いやー、今日からいい日になりそうですなぁ」
普段からいやらしい表情の教頭は露骨に喜びを浮かべていた。
僕には無い教頭の素質に少し敬意を抱いた。
始業時間になると、いつものように朝礼が始まったが、女性社員だけは床に正座し背筋をピンと伸ばしていた。
男性社員は一瞬戸惑ったが、昨日までと同じように椅子に腰をかけて一日のスケジュールや担当生徒の様子などをいつも通り発表した。
「えー、ご存じの通り、本日より男尊女卑法が施行された。ということもあり。
我が校の女子生徒も、今後立派な女性になっていくためにはですね。
皆様からの、『愛ある教育』が必要となってきます。
特に女性教員の方々!!既に立場はわきまえてるとは思いますが、生徒の模範となれるように気を引き締めて、男性への接待の心を怠らず、心あれば思いのみならず、求められたことは行動に移す、模範的な態度をとってください!
私からは以上になります。質問などある人?」
教頭の話が終わると、女性教員は何とも言えぬ表情でいて、職員室には異様な空気が立ちこまれていた。
特に数学の黒崎先生は下唇をぐっと噛み、悔しそうで恨めしそうな眼光を光らせていた。
「あの、、この法律の施行に伴って、校則などの変更をされる予定はあるのでしょうか?」
「学園全体の校則などについては、今後出来上がり次第、皆には報告させていただくことになってます。ただ、クラスについてのルールなどは各教員の判断に任す。部活動中も同じとする。ほかに質問は?・・・・・では、無いようなので、本日も一日よろしくお願いします。」
「お願いします」
朝礼が終わると、興奮が冷めやらぬ同僚の藤木が僕に話しかけてきた。
「おいおい、今日から楽しみだなー。もう既に女の先生とか立場違う感じぷんぷんするし、黒崎先生の悔しそうな顔とかたまんねぇ」
「バカ、何言ってんだよ」興奮を抑えて同僚を諭そうとすると
「なぁ、黒崎先生の下着どんなんだろう?あの悔しそうな表情いいんだよなぁ。実は昔結構怒られたことあってさ。でも今じゃ立場は歴然だぜ~。どう?何色か賭けてみる?」
「はぁ?何馬鹿なこと言ってんだよ。そもそも、どうやって確認すんだよ?」
「いや、聞けばいいじゃん。それかスカート持ち上げさせようぜ。」
「・・・・」悔しくも、藤木の言ってることは不可能では無さそうだった。
いや、なぜ自分が悔しがっているのかさえもわからなくなりそうだった。
「確かに賭け事は良くないよな。じゃあ俺きいてくるわ」
普段なら絶対「おい、よせ」と言って止めていたが、今はなぜか止める気力が湧かなかった。いや、自分の理性が湧かせなかったのかも知れない。
同僚の藤木は不機嫌そうに授業の準備をする黒崎先生に近づき
「あのー、黒崎先生。今日って何色の下着なんですか?よかったらみせていただけませんか?」
「はぁ、、、バカバカしい。白よ白。見せれませーん」
黒崎先生は仕方なく、そしてあしらうように答えていたが
「いや、見せてください」
藤木は断られたにも関わらず、パンツを見せるよう要求していた、先輩の先生にそんなことをいきなりできる藤木に妙な尊敬心を抱いていると
「は!?あんたになんか見せるわけないでしょ!!」やれやれ、ついに黒崎先生を怒らせてしまった。藤木はどのような対応をするのかと楽しみにしていると。
「いや、藤木先生が正しいですよ。黒崎先生。。」そう声をかけたのは、これまでのやりとりを把握してるであろう教頭だった。悪い大人のニヤケ面を絵に書いたような顔をしていた。
「いいですか、黒崎先生、、今目の前には藤木先生という立派な男性がおられるわけだ、そそそ、その男性がだね!女性、、いや、、女!女のあなたの下着を見たいと言ってくれてるんだ。黒崎先生ほど賢い女ならわかりますよね?国民の義務は理解できてますよね?捕まれば本当に自由なんてないですよ。ん?どうなんですか?」
黒崎先生は教頭の登場に驚き、下を向き黙って話を聞きながら身体は小刻みに震えていた。
きっと頭ではわかっていても、身体では受け入れられないのだろう。
「わ、、わたしは・・・ええっと、、その・・・」黒崎先生が一生懸命何かをオブラートに包みながら話そうとしているときに、突然、横から場違いな明るい声がした。
「ジャーンっっ!!」なんと、家庭科の安藤先生が自らスカートを持ち上げて藤木と教頭の前に現れたのだ。
少しロリっぽい安藤先生だったが、下着はしっかり女性物を使用しておりサテンの薄緑と青を混ぜたような色の下着を露出させ。「あ、失礼しましたぁ(笑)私のは興味ないですよねー♪ほらぁ黒崎先生も下着くらい見せちゃいましょー★」
おそらく安藤先生のとった行動は、自らがいつも以上に明るく振舞うことで、恥じらいを少しでもごまかせる、ということを黒崎先生に伝えたかったのだろう。
黒崎先生もその言葉を聞き、何かが吹っ切れたようにクスっと笑い
「そうですよね。たかだか下着ね。あはは。」
ゆっくりとズボンを下ろして、黒色の下着を露出させた。
「おぉっ!えっ?黒なんだ? さっきはなんで白って嘘ついたんですか?」
一瞬は驚き喜んだ藤木だったが、追い打ちをかけるように再び黒崎先生に詰め寄った。
「自分の下着の色なんて一々覚えてるわけないでしょ。」
黒崎先生は必死に言い訳をしていると、教頭が二人の間に入り
「まぁまぁ藤木先生、そろそろ生徒も来られる時間ですし、ここは穏便に黒崎先生に謝罪してもらいましょう?それでいいですよね?黒崎先生も。」絶対に生徒には見てほしくない教頭の妙な笑顔が黒崎先生のトラウマにならないか心配になったが、藤木は何を思ったか
「教頭先生がおっしゃるなら、仕方ないですね。では黒崎先生、僕たちに下着を素直に見せなかったこと、そして虚偽の報告をしたことについて謝罪してください。あ、ズボンは足首まで下ろしてなるべくガニ股でお願いしますね。ガニ股じゃないと反省が感じられないので」と先輩である黒崎先生へ謝罪の要求をした。
黒崎先生の目からはうっすらと涙がこぼれそうになっていたが、必死に唇を噛みしめ僕たちに黒い下着を見せつけるようにガニ股姿になり
「下着を、、すぐに見せなくて、、、ごめんなさい。。うぅ、、申し訳ございませんでした。。下着の色も偽ってしまってごめんなさい。。ごめんなさい。。」
「はい、そうですね。今度は嘘つかないでくださいね。わかりました?黒崎先生」
「は、、はいっ。うぅぅぅ」目からは沢山の涙がこぼれ落ちた。
黒崎先生は後輩に下着を見せた上にその下着まで指摘され、放心状態で返事をしたのだった。
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