第2話
「あっ、千君
そこに皆を寝かして」
そう言われ魔法陣の上に皆を寝かせた
「この魔法陣の中にいれば彼等の時間を止めていられる
だから、進行も止まるんだ
それで、天使を集めておいたから行っておいで
僕が言えば力をくれるけど、それじゃあ駄目なんだ
強制された力じゃ呪いは解けないから。ごめんね」
哀しげに俺を見る最高神
「最高神ありがとう
俺達が帰るまで皆のことよろしくお願いしますっ」
「うん、だから頑張ってね」
俺は案内されたホールの舞台にサタン君と立った
「今日は、皆さんに頼みがあって集まってもらいましたっ!
俺の家族がある呪いを受けました
それを解呪する為には
天界の天使の力と
魔界の悪魔の力
そして、人間界の人間の力が必要です
他にもまだありますが
お願いです!皆さんの力を分けてくださいっ!!」
「お願いしますっ!!」
俺達はブーイングを受けても頭を下げたままいた
こんな事で挫けちゃいけない
何を言われたって
皆を助ける為なら何だって耐えられる。
天界で人間は嫌われる。どこの世界だって人種の違いは大きな溝となる。
その時下を向く俺の前に誰かが立ったのが見えて
頭を上げた
「何処に力を入れればいいんですか?」
綺麗な女の人が首を傾げて聞いてきた
「えっ、あ、このミキサーにお願いしますっ!」
俺がミキサーを渡すと彼女は力を入れてくれた
パシッ
彼女に向けて石が飛んできたので咄嗟にキャッチした
「何でそんな奴の為に力なんか分けるんだ!」
「天界を裏切るのか!?」
先ほどまでの非難は力を入れてくれた彼女へかわった
俺が受けるのならわかるけど、
彼女が受けるのはおかしいだろ
「何故力を分けたらいけないんですか?
私は、彼に恩があります
出来ることなら何でもしてあげたいです。
それに、命を渡せと言われてる訳じゃないじゃないですか
何故皆さんは力を分けてあげないんですか?
助けられる命を助けない。
それでもあなた達は天使ですか?」
キッと会場にいる天使を睨んでいった
「そんなの悪用されるかもしれねぇだろ!?」
「天使は高貴な存在なんだ!!!!」
「でも、助かるのよね」
ブーイングの中にチラホラと考え始める声が聞こえ始めた
「悪用というのなら
私達を此処へ呼んだのは誰か思い出してみてください!
私達を呼んだのは最高神様です!
最高神様が悪用する人の為に私達を呼ぶと思いますか?
天使は、人を見守り
時には守り、守る誰かの為に存在してるんです!
天使が高貴な存在だというなら
高貴だから貴方は何もしないんですか?
ただクレームを言うだけなんですか?
それはただの子供と何も変わりません!
もう一度文句を言う前に考えて下さい!
私達が日頃から有り余ってる力を分けてあげれば
この子の家族は助かるんです!
私達の力までじゃなく
魔界、人間界のチカラもいるという事の重大さもわからないなら天使をやめたほうがいいと思います
それ程大きな呪いを必死に解こうと頑張るこの子達を見て何も思えないのなら
もう、それは感情が欠如しています。」
軽蔑するように天使達を見つめた
「お願いしますっ!
皆さんの力を分けてくださいっ!」
もう一度深く頭を下げた
「俺のたった1つの大事な家族なんですっ!
初めて俺といてくれた奴らなんですっ!
俺にできる事なら何でもして助けてやりたいんです!
お願いしますっ!!」
投げられる石を避ける事もせず頭を下げ続けた
「頭を上げてください」
そう言われ頭を上げると
俺達が持ってきていたミキサーに
いろんな人が力を入れてくれていた
「っ!ありがとうございますっ!」
俺はもう一度頭を下げた
「坊主、お前度胸あるな
家族の呪い解けるといいな」
「頑張ってね!」
入れてくれた人たちは俺達に言葉をかけて去っていった
彼女1人を残して
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます