高校生ラジオ〜身バレを恐れながも、全力で語る。

九月 生

第1話 パーソナリティ、語部

高校2年生の俺、轟語とどろきかたるは、20時45分に某テレビ局のある個室にいた。


その個室ではラジオ番組を撮っており、俺は高校生ながらラジオパーソナリティーをしている。


ラジオパーソナリティーになったきっかけは、ラジオアプリだ。


そのアプリは、アプリ内でなら誰でもラジオ配信が出来るというモノで、高校1年生の時からラジオ配信をしていた。


ラジオ配信をして半年なるか、ならないかというときに、偶々今のラジオ番組のプロデューサーさんが俺のラジオ配信を見てくれていて、「一緒にラジオ番組やらないか」と俺を引き抜いてくれた。


だから、俺は今ラジオパーソナリティーとして働けている。


ラジオパーソナリティーとして働いてはいるが、俺は本名をラジオ番組では出していない。ラジオ番組では『語部』としてトークしている。


なぜかって?


身バレが嫌だから。身バレしたら、学校で大騒ぎになるかもしれないし、家族を巻き込んでしまう。だから、俺は番組では轟語ではなく、『語部』としてトークしている。


「そろそろ、ゲストさんが入りまーす」


スピーカーからスタッフさんの声が。


『語部』のラジオ番組は、基本『語部』1人で21時から22時の1時間を持たせる。


だが、今回はゲストさんが来るので、その人と一緒に今日1時間過ごすことになっている。


ところでなんだが、今日のゲストさんって誰? 


来ることは知っていたが、誰が来るかなんて聞かされていない。


なんで、誰も教えてくれないのでしょうか?


後で、スタッフさんに訊いてみよう。


俺は今日のゲストさんを迎えるために立ち上がり、ピシッと気を付けをする。


「ゲストさん入りまーす」


ガチャ、と音がし、放送撮影室のドアが開く。


開いたとたんに、俺は、


「どうも、ラジオ番組『語部と語り合おう』のラジオパーソナリティー、語部こと轟語です。今日は1日お願いします!」


名前の知らないゲストさんに挨拶をするのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

高校生ラジオ〜身バレを恐れながも、全力で語る。 九月 生 @syuhey

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ