マイリトルサマーVRオリンピック2020
@dekai3
プロメテウスからの卒業
起動画面から暗転した後、VRのモニターに映ったのは石造りの競技場と、それに不釣り合いなサイバーなステージ。
やけにゲーミングに輝くステージの上には腕を組み満足げな表情で仁王立ちをする(胸の大きさ以外は)彼女そっくりのアバターが居て、彼女の後には様々な形と色のメダルを掲げた歴代のオリンピック記録保持者達が見える。
「私と付き合いたいならば、彼等の記録を塗り変え、世界で一番の男になってみせなさい!」
なるほど。
いくらデータの世界とは言え、中々の無茶を言ってくれる。
でも、そんな君だからこそ、俺は君を手に入れたい。
「視聴者数は1000万人を超えたわ、世界中の人が貴方を見ている。製品版のテストも兼ねてるんだし、無様な姿は晒さないで頂戴ね?」
やれやれ。
どうやら世界一の腕を誇るプログラムの天才でも、好きな女性の為なら男はなんだって出来るって事を知らないらしい。
今の俺はヘラクレスにも勝てるんだぞ?
「さあ、世界最高のオリンピックを始めましょう!!バーチャル世界の可能性は無限大よ!!」
現実のオリンピックは来年に延期したが、俺と彼女のオリンピックは今日開幕だ。
クーラーが効いた涼しい部屋でも、今年の夏は暑くなるぜ。
マイリトルサマーVRオリンピック2020 @dekai3
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます