79話 桃の香
今晩は。
今日ね、田舎の祖母から荷物が届いたんですよ。母方の家なのですが、農家さんをしていて花とか米とか野菜とか色々作っています。僕の住んでいるところからは遠いので、もう何年も会っていないのですが。
その母方の祖父が一年前体を壊して入院したのをきっかけに、認知症っていうんでしょうか、悪い言い方をすると、ぼけてしまったんです。たまに母さんのスマホに変な電話をしてきたり、兄弟の顔を見ても認識できないときもあったりするみたいです。電話をすると、まだ僕たちのことは分かってくれるのですが、コロナで会いには行けません。
荷物が届いたという話をしましたが、段ボールの中身はメロンときゅうりと桃でした。祖父が体を壊す前に植えた桃の木に、今年は実がなったそうです。手のひらに収まるくらいの、少し小ぶりで産毛の生えた桃でした。濃い、甘いにおいのする。
とうもろこしとか、お米とか、よく送ってくれたものです。そうしたら、段ボールから桃を取り出したとき、なんだか無性に切なくなりました。
祖父がたまに電話をくれても大して話すこともしなかったくせに。なぜだか涙が止まらなくなってしまってどうしようもなく。
あのときのじいちゃんにはもう会えないんだなって、なにかを失ったような気持ちになりました。
疎ましく思うこともあったし、どう接していいか分からず黙り込んだこともあった。こんな僕のことを可愛がってくれていた人なのに、僕はちゃんと大切に出来てなかったんじゃないかなーって。
久しぶりの更新なのに、暗い話になってしまいましたね。
ごめんなさい、申し訳なさ杉田玄白。
テストも終わったので進路のことも考えなければ……!
ということで、今週もお疲れ様でした。週末はまったりしてくださいね。(*´꒳`)_☕︎
おやすみなさい。
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