53話 単☆細☆胞

 こんにちは。高校一年生、青松です。僕も高校一年生ということで、そろそろ文理選択をしなければいけない時期になってしまいました。しまいました、という書き方で分かった方もいらっしゃるかもしれません。そう……



 決まらない



 のです。


 もともと僕は機械が大好きで、理系に行って物理の授業を取ろうと思っていました。しかし、ここで大きな問題ひとつ。


 数学と物理、クソほどできない問題。


 定期テストではいつも平均の10点下です。それに加え、国語がめちゃくそ得意です。何もしなくても、多分数学物理よりもいい点とれる気がします。現代文と古典は、だいたいいつも平均の10点上です。そして、担任である我らが数也先生(仮名)(以下、ダンディ数也とする)の一言で心が揺らぎます。


「青松さんは文章がとても綺麗だし、言葉もすごくよく知ってますから、理系に行くのは勿体無いんじゃないんですか?」


 僕の自己紹介文と「高校生になって」みたいな作文を見てそう思ったのだそうです。それを聞いて、文系にちょっとだけ揺らいでいた心が大いに傾いたのを感じました。あとあと考えれば、褒められたからどうしよっかなってなるなんて単純すぎるというか、単細胞そのものなんですけれど。


 もしかしたら、理系の科目がクソなのを踏まえて言ったのかもしれません(急な人間不信)。しかし、『勿体無い』という言い方が上手い。クソですね理系行ったらツラいですよと言わないところが。


 つけあがりますよ?


 いいんですか?


 とか内心喜びながら、結局結論が出ずにいます。ずっと理系に行くつもりで、数学物理もなんとか頑張ろうって思っていて。でも、いざ決めるとなってじっくり考えてみたら、そこまで理系に固執していたのに大きな理由なんて無くて。でも、から文系に行くみたいで、ちょっとカッコ悪い気もしてしまって。


 考えれば考えるほど迷宮入り。


 僕にはなりたいものなんて無いし、国語も英語も数学も物理も、好きです。後ろふたつはできないけど。できないけど。


 てなわけで、悩んでます。


 珍しく。


 いや、珍しくちゃ駄目なんですけど。



 あ、もう一個だけ自慢していいですか?え、だめ?あ、そう……。



 では今日はここまでで。風呂に入ってきますね。今週もお疲れ様でした!

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