2-4 Enemy2
私は、ベッドから体を起こし、体を伸ばす。体のあちこちがきしむ音が聞こえた。顔を両手で軽く叩き、気合を入れ直す。
そして、部屋を出る。
外は、清々しいほどの晴天で太陽は起きたばかりの体にはしみる。大きなあくびが出てしまった。私は、研究室へと走り出す。しばらく進むと、太陽の光で何かが反射している。
「眩っ!!ん?なんだあれ。」
私は疑問に思い、それを拾い上げ、太陽にかざす。何かのバッジのようだが、それがなんのバッジかは私にはわからなかった。それをポケットにしまい、再び走り出す。
研究室につくと、博士の姿が見当たらなかった。
「はかせぇー?どこですか?」
「トルイドか?私は、ここにいるぞ。」
研究室の奥の瓦礫の山から声が聞こえてきた。近づき
「博士、こんなところで何をしているんですか?」
博士は一度こちらを見るが、そのまま作業を続けた。
「新しい武器を作ろうと思って、何かないか。探していたんだ。」
「新しい武器ですか?もしかして、剣とか槍とかですか?」
私は、ファンタジーの世界に興味があり、機会があれば武器を使ってみたかったのだ。
「いいや。そういう近距離系ではなく。これから使う可能性のあるものは遠距離系だろう。」
「ええ…遠距離ですか。」
少し残念だったが、銃もなかなか、かっこいいかもしれないと思った。
「まぁ、あくまで考察中だ。まだ試作品もないから、今日は使う事ができない。申し訳ないが、素手で、戦ってくれ。」
「了解です。昨日、博士も見たでしょう。私の特訓の成果を」
シュッ、シュッ、シュッ
博士の前で軽くシャドーボクスィングをする。
博士は呆れた感じに
「その様子だと、今日は素手でも行けそうだな。まぁ、慢心はするなよ。相手がどのようなものかわからないからな。」
「わかってます!!大丈夫であります。」
敬礼をした。
やれやれと言いながら、博士はデスクへと戻る。
「ちょっと、カプセルの中に入ってくれ。朝のメンテナンスをしたいと思う。」
カプセルの中へ入り、支持どおりに動く。
「うん、問題ないな。この状態だったら、負けることはないだろうな。」
勝手にドアが開き、警報がなる。
カプセルから勢いよく飛び出すが、敵の姿が見当たらない。
博士に近づき
「博士、敵がどのへんにいるかわかりますか?」
博士は横に顔を振る。
何かに顔を殴られる。しかし、そこには何もいない。なんだ?いったいどうなっているんだ。
「トルイド!相手は透明なのかもしれない。」
透明だって!!そんなものどうやって
一方的に殴られ続ける。
《体の破損部が20%に上昇しました。》
いくら目を凝らし、集中しても敵の姿が見えない。わかるのは、拳が空気を切る音のみ。
空気を切る音?空気を切る音がわかればカウンターならできる。左方向からくる攻撃を避け、相手の体があると思われる場所に拳を入れる。なにかを殴る感触。
よし!あたった。しかし、これでは応じ技しか使えないな。かけだが、わざと攻撃を受けよう。
右からくる攻撃をわざと顔面に受ける、瞬間相手の左手を掴む。そして、左手だけでラッシュ。最後に右手に力を入れ、思い切り蹴りを入れる。
すると、相手の左手が千切れ、左手が現れる。
蹴りの勢いで相手が壁にぶつかり、相手のシルエットがわかる。逃げないうちに顔に向かって、殴る。すると全身が現れる。
相手は力が抜けるように床に倒れた。
「博士!!やりましたよ。」
「ほんとギリギリだったな。しかし、奴ら透明化まで出来たとは。」
博士はあごに手を付け考え中のポーズをすると
「君の破損箇所を修復したいから、とりあえずカプセルにでも入っててくれ。もちろん、シャットダウンさせるからな。」
〜〜
《再起動中》
・
・
・
《再起動に成功しました》
「もう、出てきてもいいぞ。」
カプセルから出ると博士は謎なメガネをかけていた。
「それ、どうしたんですか?」
待ってましたと言わんばかりに説明しだす。
「これか?これは、さっきの機体を少し調べさせてもらってな。透明化したものを見る事ができるようになるメガネだ!」
「もう、作ったんですか?相変わらず仕事が早いですね。」
「そうだろう、そうだろう。もっと褒めてくれても構わないぞ。」
「それ、体に影響はないんですか?」
「えっ、スルー?まぁ、色々検査して問題なければ君の目に入れることにしているよ。明後日あたりにはできると思うから、今日はもう帰って、明日は休みだ。」
「了解です。」
今日は、すぐ家に帰り軽く筋トレしてから就寝した。
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