第2話「喜び合う」
「おい“ゆらぎ”!お前の相手は俺だ!」
紺色の髪の少年がそう煽った。それと同時に“ゆらぎ”への攻撃をし始める。
殴ったり蹴ったり、そんな攻撃に“ゆらぎ”も少年へと殴り始めた。
間一髪の所で避ける少年。先程まで少年が居た場所の壁が酷く歪んでいる。
冷や汗をかきながらも、紺色の髪の少年は何とか“ゆらぎ”を誘導して、“ゆらぎ”が赤髪の少年に背を向ける体勢にさせた。
「今だ優希!」
「了解!」
次の瞬間、“ゆらぎ”の背中に、優希と呼ばれた赤髪の少年が腕ごと手を突っ込んだ。
苦しそうに叫び始める“ゆらぎ”。
「…っどこだ、精神の核は…!」
「俺が押さえておく!優希は核を探す事だけに集中しろ!」
紺色の髪の少年が“ゆらぎ”の体を押さえつけ、暴れられないように動きを封じ込める。
そして、赤髪の少年も「精神の核」と呼ばれるものを見つけたのか、ハッとした表情で腕を動かす。
「見つけた!今から修復する!」
「ナイス!」
そして遂に、修復と呼ばれた作業が成功し、赤髪の少年の腕が、“ゆらぎ”から抜けた。
つい先程まで“ゆらぎ”だった怪物は、少年の腕が抜けた途端に気絶をし、床に倒れた。
「……やったぞ優希!俺達の初仕事は成功だ!」
「う、うん…!やったね!」
人間に戻った元“ゆらぎ”を横目に、二人は喜び合う。初仕事が無事に終わった事、人を救えた事に、安心感を覚えた。
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