第17話 同級生
カフェを背にして、歩いていると後ろから誰かが走ってくる音がした。前に人が歩いていたし、その誰かに声をかけるのだろうと思った。私に声をかけてくる人なんているはずない。私は「いらない」んだもの。
「すみません」
「え?」
確かに私の背後で声がした。振り返るとそこには、同じクラスだった同級生の男の人が立っていた。確か、名前は……ユウスケ。知ってはいるけれど、そんなに話したことはなかった。
「あの、ハナさんですよね? 俺のこと覚えていますか?」
「ユウスケくん、だよね……?」
「うわ、嬉しいなあ!! ありがとう! 同窓会、来ないの?」
「う、うん……」
「えー、俺、待ってたのに……」
「え……?」
ユウスケ君はしゅんとした顔をした。私は戸惑った。待ってた……? 私を?
「じゃあさ、俺と少しだけ違うとこで飲もうよ」
「え、」
「なぁ、いいだろ?」
「う、うん、分かった」
そんな顔でお願いされたら断れないの分かってるはずなのに……。
そして、私は、ユウスケくんと違う場所へ行って一緒に飲んだ。
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