第12話 新しい感情
高校生になって充実した日々を手に入れた私は、いつしかある感情が自分の中に生まれていたことに気がついた。
「自分を見てほしい。もっと自分に興味を持って欲しい。もっと私を構って欲しい。私のこと本当はどう思っているか知りたい」
小学校、中学校時代、誰も私自身を見てくれなかったから、そのせいによって生まれたのかもしれない。そして、それはなま半可なものじゃない。とてもとても強い感情だった。
私は男の子達と一緒に登校したり帰ったりすることがあった。別に彼氏がいる、とかではなくて最寄りの駅が同じ友達が入学当初に一人しか知らなかったからだ。そこからどんどん彼が友達を誘い、またその友達が友達を誘って増えていき7人くらいになった。はたから見れば、私が引き連れているみたいに見えたり、浮いて見えるかもしれないけど、私は全然気にしていなかった。
一度いつもの電車より早い電車で行ったことがあった。女の子達に誘われたからだ。女の子達に誘われることなんて滅多になかったからとっても嬉しかった。
全員に連絡するのも、と思った私は、最寄りの駅が同じ男の子に連絡を入れた。もし聞かれても彼ならちゃんと言ってくれると思ったし。
滅多になく、男の子達とは全く異なる女の子達との会話を私は楽しみながら一緒に登校した。
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