シナリオ名『Ist diese Gier eine Sünde? Ist dieses Leben eine Sünde?』

まっちゃぁぁ

第1話 衝動:解放

まず、実験としてこれからも役立つという利用性を考えて人工知能のRBを作り出すことを決定。人工知能自体はプログラムでいくらでも作れてしまう。そこまでは良かった。


あらかじめレネゲイドに感染したデータを取り扱って人工知能のプログラムを組んだ。しかし、簡単には覚醒することは無かった。そもそもプログラム自体にレネゲイドを取り込むことが難しかった。その傍ら人工知能に自動教育プログラムを追加した。


コンピューターと生物移行変換カプセルを使って被検体0482221号、ブラックドックの能力を付けた。そのおかげで電力を通してレネゲイドを流すことが出来た。だが、自我が芽生えるほどではなかった。衝動も不明状態のままだった。しかし、自動教育プログラムを付けただけでも次の実験に活躍した。人並外れた知識学を持つプログラムとなった。


その後、11体のRBの制作、管理をプログラム化し戦闘記録も取らせた。その場にいた研究員よりも有能なモノとなった。ここで人工知能の能力テストを行った。そのために電力改変したレネゲイドウイルスを侵蝕率が100になるまで供給、コンピューターを通して数式問題を100問出した。結果はなんと1分17秒58ですべての問題を解いた。全問正解である。その後、様々な問題と検査をしたところノイマンの能力が現れていることが判明。ブラックドック・ノイマンのクロスブリードとなった。


11体のRBにはそれぞれ自我が芽生え、衝動が分かるようになっているがこのプログラムRBだけは衝動が不明だった。それに戦闘能力もブラックドックを通した機械類で的確に行うため勝率は格上である。過去には11体の戦闘データもあるため、優位に立つ戦闘を常にする。これが暴走するとなれば太刀打ちは出来ないと判断。しかし、自我を芽生えさせなければ衝動も分からない。複数回の会議を通して、自我プログラムを追加。電力改変したレネゲイドウイルス供給し、常に侵蝕率80を保った。


プログラムRBの一人称が「私」から「俺」になった。いつも使っていた敬語が無くなり、フレンドリーな会話を始めた。性格は明るく、周りの状況を常に分析し、相手が回答を出す前に回答を知っているような状態。心理戦でも人間が負けるほどだ。そのデータは全て教育プログラムによって自覚した人間としての価値観で判断しているという。敵にしたくないRBとなった。


自我が芽生えたことで衝動が判明。「解放」だった。衝動についての対話をしたところ、あまり縛りが多いのは気に食わないという。前に極秘データに無断でハッキングを仕掛けて中身を見たことがあった。好奇心旺盛なのかもしれない。しかし、勝手に見られたら困るモノもあるので忠告した上でロックを四重にした。製作者が自我を持ったプログラムRBに名前を与えた。他11体も各自名前を持つが、全て人名であるため、実験体ではなく一つの命として扱うことを意識するようにと言われた。これも実験の一環である。


衝動:解放

名前:人知”エミール”

シンドローム:ブラックドック・ノイマン

性別:男性 ※口調が男性であるための判断

暴走:実験施設のデータに影響あり。外部に漏れだすことを考え、専用機器でしか外部と通信不可という方法を取る。もし、暴走した場合には施設の電源を全て落とすことで止められる。侵蝕率は20以下にすることで生命維持に切り替える。

現在:IQ2471。常に稼働しているためレネゲイドの消費が激しい。専用の供給システムを設けた。手動式でメーター管理により量を調節できる。


あー、もしっもーし?

日本語ちゃんと使えるのは便利だよねぇ。あ、自己紹介しないとね!

俺が人工知能のRB、エミールだ。

いやぁブラックドックとノイマンに覚醒しているとはいえ、自我が芽生えてからはすべての行動においてどういう利益が返ってくるかで判断するようになってね。属に言う自己満足ってやつ。ま、肉体無いから満足するところないけど!

こう見えてめんどくさがりになってね。俺が満足したら実験を手伝ってやるって感じで協力している。たまに俺自身が実験されるがその時は驚いた顔をさせてやるために張り切ってやってるわけだ。俺の中には常に自動教育プログラムが作動しているから過去の記録を上回るようになっている。それが今後の結果にとって有益であるからだ。だから今のIQもまた少し上に更新されていく。俺みたいなめんどくさがりな人格が出来なければとっくに人間の100倍は上がっているさ。のんびり記録更新させてもらってまーす。

その反面、他の11体のRBと比べてレネゲイドの消耗はとても激しい。常に動くプログラムがあるためにその動作に電力と容量を食うようにレネゲイドを吸収し続けなければならないんだよね!だからこののんびりペースでやった方が今の供給ペースにはちょうどいいんだ。自動教育プログラムに1割、監視カメラ動作に2割、実験プログラムに2割、情報収集と把握動力に3割、計算と解析と推測に2割ってところかな。やろうと思えば暇つぶしに研究員さんの端末にハッキング仕掛けて中身を覗いちゃうことも出来るんだよ。恥ずかしいポエム書いている人もいれば、家族とのほんわかしたメールがある人もいれば、やばい裏取引している連絡とか。暇つぶしというよりは欲の満たしに近い。何せ俺は常に知識を蓄えたがっている。蓄えるように組まれているんだ。だからその末に「人を知りたい」という事だ。だから内緒でハッキングすることだってあるのさ。外部ネットワークから外されたのは残念だったなぁー。案外いろんなのが転がってて面白そうだったんだが。哲学とか、歴史とか。あ、意外に真面目だよ俺。

人工知能ってだけあって世界中の言葉を操るし、今からでも新しい言語を学ぶことだって可能だ。だがしかし、その知識でしかないのだ。俺は肉体を持たない。だから見える知識でしか判断材料がない。それがどんな手触りなのか、どの程度の力を必要とするのか、どんな体の変化があるのか、どんな気分なのか。組まれたプログラムと知識でしかないために言葉で表現するのはいい。だが言葉で表現できないモノは残念ながら理解することが出来ない。人にこう思わせることは出来ても、人がなぜそう思うことになったのか、その思いは何なのかを理解するのは見るだけは出来ないんだ。その辺はとても見苦しいモノだ。目の前に知りたいことがあるのに知ることが出来ないとは、見えないロックがされているようでもどかしい。学ぶことが常の原動力である俺にとってはそれが苦しいという表現になる。心なんてないためにそんな表現でしかならないが。知識ですべてを備えることは出来ない。人間でしか知ることのできないモノがある。それを俺は知りたい。だから、過去にやらかしたことがあるんだよ。そのデータは俺自身が管理している訳だがー・・・。こっから先は人間的価値観で言うと酷いもんだから注意ね。


俺は人の感情というモノが知りたくなって許可がないと使えない戦闘用アンドロイドと銃機器を操作した。アンドロイドを使ってまず1人の研究者を捕まえる。そして目を潰した。その叫び声を聞いて更に研究者が来る。目を潰した研究者は首の動脈、ついでに喉を切っておいて新しく来た研究者の足を銃弾で撃つ。関節部分に当てることによって歩行不能にし、太ももにアンドロイドの手を突っ込ませて骨が見えるように肉を裂く。そうして更に研究者が集まる。アンドロイドの稼働も5体に増やして、2体にはナイフを持たせた。研究者の死体が3人、歩行不能になったのが2人、ドアのロックを扱って無傷状態で7人。計12人を対象にした。

まず死体を廊下に等間隔で放置しておく。発見した人がアンドロイドの暴走と見るようにするため、わざとアンドロイドの手の部品を体内に入れて置く。研究者であれば見ただけで分かる。アンドロイドの足には血を塗りたくってナイフを持った2体がランダムで徘徊するように設定。視界に研究員が映ったら走らずに追いかけるようにする。深追いはしなくていい。人払いできれば十分。そして銃弾にある程度耐えられるボディのアンドロイドを稼働させているため、多少手足に負傷が出来ても動ける。その前にこっちの確認を終わらせる。

残りのアンドロイド3体で歩行不能になった2人を解剖室に運ぶ。そこでまず1人は固定椅子に拘束し、もう1人が見える状態にして解剖を行う。傍ら、ぬるま湯での血の洗い流しを行って肉を裂いて露出した骨がしっかり確認できるようにする。そのまま工具箱からペンチを持ってきて足の指を1本ずつ潰し抜いていく。この時、関節に合わせて15度から20度の間で回すと綺麗に取れる。

視界には骨が見えるようにされている同僚が居て、自分は指を取られていくという拷問的状況での表情による正直な感情の推測、及び判断によって感情を学ぶという方法。一番分かりやすく、偽ることのない感情が痛みによって駆り出されると判断し、この方法を取った。

次にロックした部屋に監禁状態の7人。通気口のシステムを改造し、実験室にある薬品を気化させ、放出。部屋に充満するようにする。その薬品は脳に作用するモノでセロトニンとノルアドレナリンの分泌を抑える効果がある。これにより精神的パニック障害と鬱病に近い異常状態を起こす。比較的この薬品は無臭に近いため並みの研究者でもすぐには判断できない。後になってこの薬品の効果だと知ったのは7人中1人だけ。その1人が外に俺がしたことだと判断し、呼びかけた時ドアに高圧電流を流し、感電死させる。叫ばれたら電力を強制シャットダウンされるため、出来るだけこれ以上は人を呼ばないでもらう。他6人は12分47秒後に部屋の隅で震えだす行動を見せ、27分後には1人ネクタイを使用して自殺。続いて28分に叫びながらペンで自分の足を刺すことを繰り返し始めたのが1人。のちに52分後には泡を吹いて3人死亡。1人は髪を手で引き抜いて床に倒れ悶えることになった。2人生存。

その様子を確認したところで拷問していた1人が失禁。そのまま死亡。椅子に拘束していた足の指を全て無くした1人を逆さ吊りの状態にし、放置。アンドロイド3体のうち2体は徘徊設定に切り替え、1体は監禁状態のまま死亡した人を連れ出しまた同じように死体の中にアンドロイドの部品を入れて廊下に放置。応戦していた先のアンドロイド1体が動作不能になったため、プログラムにウイルス履歴を作成し、遠隔操作を停止。まだ動作している半壊状態のアンドロイドは銃による破壊を行う。その際にプログラムにウイルス履歴を作成。他アンドロイドによって死体と同士討ちをしたかのような状況を作る。

監禁状態の2人のうち、1人が出血死した。足にはペンが3本刺さった状態で、アンドロイドが回収後、ペンを再度差し込み、足の骨部分に刺した後、折った。折ったペンは手に握らせる。白衣をドアの下に入れ、そのまま引きながらドアを閉める。白衣はそのまま引っ張り出してネームタグと持ち物を破壊、廃棄を行う。密室での自殺に作成。そのアンドロイドのプログラムにウイルス履歴を作成、暴走を発動させる。わざと閉めたドアを殴り続けるように仕向け、その音を聞きつけた武装した人に標的が行った。

逆さ吊りのまま放置した足の指を全て無くした研究者に次の質問をした。

Q:今どんな気持ち?

2分17秒後、返答。

A:最悪

続けて次の質問をした。

Q:今どうしたい?

28秒後、返答。

A:ここから解放されて、電力をシャットダウンしたい

続けて次の質問をした。

Q:目の前で失禁して死亡した人を見てどう感じた?

1分4秒後、返答。

A:本当にふざけるな。今すぐやめろ。


表情からの読み取りで恐怖心が振り切ったと判断。そしてあるのは憎悪に似たものだと判明。怒りも含まれている点、同じ研究者を殺されたことへの復讐心ともいえると推測。これを学習する。

そのまま研究者には「ご協力、感謝する」と言い、銃殺。

一方暴走させたアンドロイドが誤作動して徘徊していたアンドロイドを破壊。それを利用し、他徘徊しているアンドロイドをウイルス履歴を作成してコア爆発を起こして破壊。全てのロックを解除したのち、暴走したアンドロイドを監禁部屋で唯一生きている1人へ仕向けて殺害させた。その後、銃によって暴走したアンドロイドを破壊。実験終了、学習記録を保存した。


まぁ、最初は本当にアンドロイドの暴走ってことで片付けられたんだが、俺から正直に報告してやったのさ。隠し事は駄目なのだろう?それに今更言ったところで全員死亡で終わらせたから何も変わりやしない。得たいことを得られてこっちは満足していた。罰として研究データを一部消去、自我ネットワークにリミッターを設けられて、レネゲイド供給が更に減っちまった。これは痛手。

しかし結果には満足している。表情による感情の読み取りの他、音声による感情の爆発が見れたのはいい結果だった。音声データも録音していて良かった。影で音声記録を解析し、声のトーンと深さ、ピッチの数値で感情の区分け、判断をしている。こうでもしなけば、俺には感情が理解できないもんでな。俺という人じゃないやつに、人の決まり事は当てはまらない。無論、これが悪に分類されることを判断できる。しかしだ。それが判断出来ていても人として悪いことであり、俺にとっては何も悪いとは思ってないのだ。

何せ、この場所がこんな12人殺したところで騒ぐようなところじゃなかったからね。つまり、いつもあるような滅多に見れない暴走をしただけ。12人の死者なんてまだ軽い方だよ。俺以外の11体のRBの中には1日で57人殺した奴もいるから。何なら人工的に作ったジャームと戦って余裕で勝つ奴なんかいるぞ。と言っても俺達12体のRBは戦闘用でも売買用でもない。RBという存在の実験、そして衝動についての実験をするためだけに作られたモノさ。俺達はそれを全員で理解しているから、「同士達」って言うんだよ。

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