ソードワールド2.5シナリオ「21 グラムの後日譚」

殻付飛鳥

君は死んだ。

冒険者として生きて、死んだ。

蛮族に、首を掻き切られて死んだのだ。

最期の瞬間に思い出したのは、君がずっと好きだった人の顔。

その人が、別の人に恋をしていたのはわかっていたけれど、ずっとずっと好きだった。

だけど、ああ。

こうやって死んでしまうなら、振られるとわかっていても、……いや、振られるとわかっていたからこそ。

せめて、ちゃんと告白しておけばよかった。

──然して。

微かな後悔とともに死の淵に沈んだ君の意識は、何故か、にぎやかで身勝手な妖精に叩き起こされる。

「ちょっとちょっと、何勝手に死んでるのさ君。良い負けヒロインの物語が摂取できると思ったのに、これじゃ台無しだよ！」

「でも幸い、ちゃんと未練残ってゴーストになってくれたみたいだし？　せっかくだからこれから告白しに行きなよ！」

「さあさあ、ちゃんと告白して、玉砕して、すっきり天に召されよー！！」

ソード・ワールド2.5 シナリオ

『21グラムの後日譚』

……幽霊になっても、告白って出来るんですか？

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい