第400話 炎多竜生


「あーあー彼が何か作っちゃってますよ?」


 何か、作るだって? それは図画工作的な感じか? それこそ何十年も前、私が幼きガキの頃図工は


「あ、完成しちゃいましたよ! 燐炎で作ったドラゴンです!」


「ドラゴン!?」


 いやいやいやいや、ちょっとえ? ドラゴンってそんな何か作ってるみたいな軽いノリで作ってもいいものだっけ? ってか普通に生命を錬成していないかそれ、色々大丈夫なのか? 倫理的に。


「ん、燐炎? どういうことだ?」


 ドラゴンを作った、というのにインパクトを持っていかれて燐炎を聴き逃していたんだが、これも意味がわからない。だって燐炎は鬼火の進化系のスキルだろ? 決してドラゴンを作るものではないはずだ。それなのになぜ?


「はいはい、そんな顔しなくても説明しますって。って言っても今回は別に大したことしないんですけどね。そもそも燐炎というスキルが炎を使って生き物を生み出す、というスキルなんです。これに関しては別に生き物の形をした炎ってだけで、ただの炎なんです」


 ふむふむ、この時点ではただの生き物の形をした炎ってわけだな。っていやその時点でも十分すごいだろうが、ここからどうやって本物のドラゴンに発展するんだ?


「で、この燐炎というスキルは対象を燃やし尽くすかスキルを発動した本人の魔力がなくなったら消えるんですが、彼、あろうことか自分を対象にしちゃったんです!」


「へ? あ、あー……」


 なるほど、それでペット化することに成功したってことだな。対象は絶対に燃え尽きることのない不燃の体で、その使用者である彼自身は無限の魔力を持っている、ということか。


 はぁ、どうしてまたこんなスキルの抜け道のようなものを見つけられるんだ? 自分を殺そうとする視点が斬新すぎてシステムが全く追いついていないぞ?


「そ、それでそのドラゴンはどうなったんだ?」


「はい、先ほどは生き物の形をしたただの炎って言ったのですが、どうやらこの炎薄らと自我があるみたいです。その自我は対象を炎で喰らい尽くす、というものなんですが、それが効かないことによりバグが生まれたのか、結果彼に懐いちゃっていますね、はい」


 はい、じゃないだろ全く。どうしてそうなるんだ? 嫌いな人を思い続けて結果好きになる、みたいなことか? 燃やそう燃やそうとして燃えなかったから懐くってもはやコメディだ。


「あ、しかもですがこのドラゴンオプション付きで、彼のスキルを使えば体の大きさを自由に変えられることができるんです! 全身が炎の体でできてるからもはや何でもありなんですねこのドラゴンは」


 体の大きさを自由に変更できる全身が炎でできたドラゴン……もはや私の中にこの生物を形容できるだけの言葉が存在しない。


 私にはもはやどうすることもできないのだ。


 彼自身もドラゴンになれるくせして、ドラゴンを配下に迎え入れるとは……もしかして彼もドラゴンが好きなのか?







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何かを聞こうとしていつも忘れてしまいます。


何か良いネタないですかね?読者の方と交流できて、いい感じの奴。質問コーナーは本編ですから、、、


しりとり?ネタがなかったらしりとりにします!!

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