気まま浪漫

月のきおん

第1話

夢の続き



夢を見ていた


誰かと話をしていた


そこで目が覚めた


確かに誰かと話をしていた


そして今夜も同じく誰かと一緒にいる夢を


誰かわからないが今はもう他界したあの父親の声に似ていた


そして私の名を呼んだ


そこで目が覚めた


日曜の午後、私は昔買って置いた読みかけの本をクローゼットの中から見つけた


その本の題名は有島武郎の'小さき者へ''だった

そして本の中にモノクロの赤ん坊の写真が挟んであった


後ろには私の名が


1975年4月と記してある私の誕生月にもなって


私はこんなとこに自分の写真を挟んだかな?


そして又幾年か過ぎたある日のこと又机の引き出しの中からこの本が出て来た


それを母に聞いたら父親がこの本を読んでいたと言う


あの夢のつづきな様な気がした


懐かしいあの声は確かに私の父だった





仲良し組の放課後



最近では授業が終わった放課後の教室で仲良しのコトちゃんとおしゃべりするのが日課になってる


学校の近所のパン屋さんでパンと飲み物を買って教室で食べ


家から持ってきた小さなカセットプレーヤー片手に音楽聴きながら歌うんよ


そしてまた明日学校でね。コトちゃんにさよなら


私は本当なら駄目な自転車で家に帰るのです


スカートの股下裾 、普通で

白の靴下が青春真っ盛りだった


私はあの頃将来何になりたかったのかなんて

ナーンにも考えては居なかった


ただずっと時間よ止まって

コトちゃんと一緒に歌っていたかった


ただそれだけだった


そんな私とコトちゃんの仲良し組の放課後





おむすびころりん



5歳の娘が明日、幼稚園の発表会に出る


出し物はおむすびころりん


我が子はおむすびの三個の中の一個


そう、お母さんもおむすびころりんのおむすびの三個の中の一個の役やってたよ


ほら、この写真左がお母さん


あっ、お母さんにんまり笑って恥ずかしそう


皆笑っていないよ、お母さんだけ


お母さんだけ赤い毛糸のパンツだね


そうね、自分だけ赤いから恥ずかしかったんだよ


今日の夕飯はおむすび作ろうか


赤いウインナーも買ってね






記念日


そう言えば初恋の人は夫と似て居た


私の事をよく分かってくれる人


話を沢山した


一緒に沢山笑った


そして沢山写真撮って


私よく皆に自慢した


そして結婚して喧嘩して


別れる事無く10年経ち21年後の今まで


私を守ってくれてありがとう


そして昔よりも今もずっと幸せ


この先もどうかよろしくお願いします!







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