第1話 はじまり

遥はLinksのヘッドギアを頭に装着し侵蝕を起動した。目の前が白い光に包まれた。

『侵蝕ではあなたの心拍数を計測します。通常の状態を0、心拍数が上昇すると数値も高くなり100になるとゲームオーバーになります』

機械的な音声が頭に響く。

『……リンク完了。ゲームをスタートします』

白かった目の前は反転し黒に染まった。


遥が目をあけると大きな白い鳥居の前に立っていた。周りは月明かりで薄暗く照らされている。手にはスマホを握っていた。スマホの画面には左上に18:24と表示されている。現実の時間と同じ時間に合わせられている。右上にはハートのマークに5/100と数字があった。そして、中央部分にライトのマークとメールのマークが映し出されている。ライトのマークを押すと灯りがつき遥の前方を照らし出した。もう一度押すと灯りが消えた。メールのマークを押すと受信、送信とバックボタンの画面に変わった。受信はまだ何もないためか選んでも反応がない。送信を押すとメッセージを入力する枠と送信とバックボタンがあるだけだった。遥は何もせずバックをして初めの画面に戻した。

遥は1度深呼吸をした。そして覚悟を決めた表情になる。遥はライトをつけ、鳥居をくぐった。

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