第27話 アステリズムの始まり

 陽射しが広がる時間帯の気温はまだ20℃前後。夜が更けていくと日によっては10℃近くまで気温が下がる。今日は肌寒くなることを見越して薄手のコートを羽織ってきた。時刻は黄昏時。澄んだ空気の秋の空には太陽と月。二つの光が空に浮んでいる。地平線近くは燃えるような朱色。そこから美しい菫色を経て深海のような紺碧色へと変わるグラデーションが見事に一面に広がっている。時折、通りかかる人々の中には、空へカメラを向けシャッターを切るほどに今日の夕暮れは見事だ。


 コートを羽織ってきたのにはもう一つ理由がある。少し深めのポケットには片手では少し包みきれないほどの大きさの箱が入っている。肩がけのカバンに入れてしまうと取り出す時に苦労しそうで。しかし別の手提げ袋をそれ見よがしに持ち運ぶのは持て余しそうで。結構な時間悩んだ結果、立派な紙袋から取り出したその箱をポケットに入れている。


 見せないように隠したそれを右手で確かめるようにポケットの中で握りしめて、空の向こう側に沈んでいっているだろう太陽の面影を追いかけるようにじっと眺める。目を閉じると浮かぶのは今日まで半年間のいくつかの光景。その記憶の景色で隣にいる子はどれも同じ。その優しさが溢れた笑顔はどれもこれもが夜空に瞬く星のように確かな光を持っていて、お腹を抱えて笑う時に揺れ動くリズムに同期するように心の奥が動かされて、肩に頭を乗せられたときに流れ落ちて手に触れた髪はくすぐったくて。思い出す出来事の一つ一つが愛おしく思い出せる。

 

 雑踏の中に紛れ込む聞き覚えのある足音。コツコツと革のブーツが石材の床を鳴らしている。歩き方だけで個人を判別する方法があるらしい。初めて聞いたときにはにわかに信じられなかったけれども、確かに耳を澄まして集中していれば分かる。

「サラ――や、こんばんは。」

 待ち焦がれた想い人と合流できた。ポケットの中で握りしめた手を振りほどき手を出して彼女に挨拶をする。

「みーくん。お待たせ!」

 さっきまで目の裏に思い浮かべていた優しいその顔と、なんら違わないはずの彼女の顔に、いつまで出会う度に胸を高鳴らせるのだろうか。

「どうしたの?私の顔どこか変?」

「いいや。何も変じゃないよ。」

「そう?なら――良かった。」

 今日はいつもに比べてもよりもどかしいくらいに言葉が出てこない。でもどこか沙羅もいつもより緊張しているようにも見える。


「手、握っていい?」

「――ふふ、いいよ。はい、どうぞ。」

 ふわりと差し出された彼女の左手を右手で握りしめる。小さな掌は何度握っても間違えたら壊してしまいそうなくらいに繊細に感じる。


「えへへ。やっぱり握られると落ち着くね。」

「俺も落ち着くよ。」

 その返事は大体は本当なのだけれども、ほんの少しだけ嘘が混じっている。もうちょっとだけ時間が経てば落ち着くことができて混じりっ気のないものになる。

 それまであと少しだけ嘘をつこう。


 ⁂


「夕焼け綺麗だねー。」

「そうだよね。さっきまではもっとすごかったよ、空が真っ赤に燃えているみたいだった。」

「うん!私も電車の中から見てたよ!」

「なら一緒だね。」

「そう、一緒!」

 海辺へと続くレンガ敷の傾斜はゆるい下り坂。夕日を背にして月が登りかけている方角へと並んで歩く。暗くなった空に呼応して街灯が各々橙色の光を灯していく。その道すがら何故か二人共一度も目線を合わせることなく段々と降りていく。

 

 様子が気になって沙羅の横顔を見つめようと視線を前から横へ向けると、沙羅も同じタイミングで俺の顔を見上げてくる。重なり合った視線がどこかくすぐったくて気恥ずかしい。

「えへへ。どうしたの?」

「サラこそどうしたの?」

「私が先に聞いたんだよ?みーくんが先に答えて?」

 沙羅は可愛らしく小首を傾げて尋ねてくる。

「それずるいなあ。」

「そーかな?じゃあ、なにがずるいかも教えて…?」

 沙羅の表情が甘えたように変化する。

「なんでもないよー。」

 そんな表情に囚われそうになったところを必死に平静をよそう。

「じゃあ私も秘密―。」

 握りしめた手が彼女に一度優しく振りほどかれる。その直後、彼女の指がこちらの指の間へ差し込まれ、二人の指と指が絡み合う。より一層寄り添ってきた彼女の歩幅に合わせるように。リズムを間違えないよう一歩一歩確かに歩く。


「サラの顔が少し見たかっただけだよ。」

 海風に紛れ込むくらいに小さな声で素直に先の質問の答えを伝える。彼女はグロスが塗られた紅い口を少し開いて、俺と同じくらい小さな声を出す。

「私も……みーくんの顔が見たかっただけだよ?」

 果実のように紅い唇から漏れ聞こえたその小さな声はシロップを沢山かけてしまったかのように甘い。

 その言葉は確かにこの耳へ届いた――。それくらい二人の距離が近づいている。


 ⁂


 そうして海辺の大きな通りに辿り着いた。辺りには同じ様に手を繋ぐ男女がちらほらと見える。時刻は夕飯時、いい匂いが少し遠くから風にのって香る。

「サラはお腹空いてる?」

「うーん。実を言うとあんまり減ってなくて。でも、みーくんがお腹空いてたらお夕飯食べよ?」

 彼女が空いていないのなら食事をとる意味はあまりない。

「いや、俺はまだ大丈夫だよ。じゃあ、ちょっと歩こうか。」

「うん!ありがとうね。」

 幸いにもこの辺りには食事以外にもいくつかの店が集まっている。店先から漏れる灯りを頼りに適当に足を進めていくことにする。



「みーくん、今日は大学行ってたの?」

「そうだよ。4限まであったから終わったのはサラと同じくらいじゃないかな。」

「ふーん。アルバイトはお休みしてくれたの?」

「そう……だね。今日はお休み。……特別な日だから。」

「えへへ。嬉しい。」

 彼女は今日で18歳になる。2歳の差が1歳の差まで縮まることになる。


「大学生になったら、私もあの喫茶店でアルバイトしようかなー。」

「沙羅はバイトしてみたいのか?」

「うん。今まで一度もしてみたことないし経験してみたいかなってー。」

 サラはそう言いはにかむ表情をする。

「あの喫茶店は初めてには丁度いいかもな。沙羅ならきっと店長に頼めばすぐ採用されるよ。」

「んー。みーくんと働けるかな?」

「一年か二年くらの間は働けるね。」

「働いているときは、みーくんって呼んじゃダメだよね。」

「ちゃんと普通に先輩って呼んでくれないと、俺が怒られちゃうよ。」

「えへへ。大丈夫、その時は私も一緒に怒られるね。」

 そんなことしたら白波先輩に店裏に連れて行かれて公私の区別を付けるように説教されてしまいそうだ。


「大学に入ったら一人暮らしとかする?でもサラの家は近いから必要ないかな。」

「うーん。そうだね……。でも、一度はしてみたいよね!」

 大学生活らしくアルバイトしかり一人暮らしにも確かに一度は憧れるものだと思う。

「ゲーム遅くまでしてても誰にも怒られないしな。」

「ふふ、それもそう。あと、みーくんと長電話しても大丈夫。」

「それは……俺も楽しくて歯止めが聞かなそうだから危ないなあ。」

「二人共夜更して寝坊しちゃうかなー?」

「二人揃ってダメな大学生活になっちゃうよ。」

 沙羅は俺の言葉にくすくすと笑い肩を揺する。

「そういうの、一度くらいはしてみたいかも。えへへ。ダメな子だね。」

 そんなダメな彼女も見てみたい。でも沙羅は真面目だから口ではそう言うけれどきっと大丈夫だろう。



 街の中心から外れて雑踏の音が遠ざかり、海辺らしく波の音がはっきりと聞こえ始める。ここまで何気なくゆっくりと歩いているうちに空は星が輝く夜空にその姿を変貌させている。見上げると秋の四角形、夏の三角形が夜空で形を作っていた。

「結構、外れのほうまで来ちゃったねー。」

「もう少し、歩いても大丈夫?」

 当初の予定では夕飯を取ってからこっちの方へ向かうつもりだった。ただ折角ここまで来たのだったら予定を前後させたほうがスマートだろう。

「うん。まだ、大丈夫だよ。」

 打ち寄せる波が月の光を反射するように沙羅の瞳の虹彩も月の光を反射して揺らめいている。自意識過剰でなければ彼女はどこか期待してくれているようにも見える。


 少しだけ小高いその丘。背後には夜の街と港が広がっている。観光案内で宝石のようだと謳われるのも納得できるほど綺麗にきらめいている。

 少しだけきつい階段と傾斜を彼女の脚の負担にならないようにそっと歩いていく。時折止まって後ろを振り返ると段々と見える景色の範囲が広がっていく。

 最上段まで上がると遥か遠くの海までが見渡せる。灯台からの光がスポットライトのように照らす船を照らしその影がゆっくりと水面を進んでいるのが見える。


「疲れてない?大丈夫?」

「これくらいへっちゃらだよ!だってこの前の遊園地の方が疲れたしねー!」

「たしかに。あの日のほうがハードだったね。」

「次の日ちょっと足が痛いくらいだったからー。えへへ、楽しかったね。」

「またいつか行こうね。」

「うん。待ってるよ!」

 

 丘の上には小さな公園があり観光名所となっている。街から外れているけれどもいくつかの人影がちらほらと見える。その大半が二人組なので恋人同士なのだと思う。漏れなく俺達も傍から見ればそう見えるだろう。

 二人きりになれるように奥の方へ足を進めていく。

 後は――間違えないようにこの想いを素直に伝えるだけだ。一つ一つ、言葉を間違えないように。


 海風に吹かれた沙羅の髪の毛が宙にふわりと広がっている。彼女は流れる髪の毛を片手で抑えながら目の前の夜景をその瞳に映している。いつまでも眺めていたいくらいに綺麗だけれども、今はその視線を遮るように彼女の前に立つ。

「サラ。今日は来てくれてありがとう。」

「えへへ。みーくんこそありがとう。」

 すっと息を吸い込み少し冷たい空気を身体に取り入れる。

「ううん。俺の方がお礼言わないと。……初めて君に会った時からずっと今まで楽しかった。」

「えー。ふふ。きっと私のほうが楽しかったよ。」

 柔らかく微笑みながらそう言ってくれた。

「楽しかった……だけじゃなくて、その……。」

「……。」

 沙羅はじっとして俺の言葉の続きを待ってくれている。数秒間を置いて続きの言葉を口にする。


「この先もずっと、サラと一緒にいたい。楽しかったじゃなくて、二人で楽しくずっと一緒にいたい。だから――。」

 右手を彼女の手からそっと外して、ポケットの中に入れた箱を彼女に手渡す。口元に手を当てて沙羅は驚いた表情をする。


「サラ、誕生日おめでとう。俺はサラが好きだ。もしよかったら……。サラが大学生になったら付き合ってほしい。」

 相手の眼をみてしっかりと言えたと思う。彼が驚いた顔をしたあとに、いつものとびきりの笑顔で応えてくれる。

「みーくん、誕生日プレゼントありがとう。――私もみーくんのこと好き。ずっと付き合おうって言われたかったからとっても嬉しい。」

 サラが頬は夜の暗がりでもわかるくらい桜色に染まる。その答えに俺は嬉しさを噛みしめるようにぐっと両目をつむった。…――その刹那せつなにもう一度彼女の声がする。


「みーくん。私もみーくんのこと好き。私へ先にプレゼントくれるんだよね?だって、初めて手を繋いだのは私だもんね。卒業まで手を出さないのは、とってもしっかりしてて素敵。でも……――キスくらいならもうしてもいいと思うなー。」

 公園のさらに手前から足音がしていたのは耳には届いていた。きっと他の恋人同士だと思い込んでいたその足音は、聞き慣れた沙羅の足音と同じだと気がついたのは並んだ好きな彼女の顔を二人分共に視界へ入れたときだった。


「「私達の二人のどっちに先にプレゼントしてくれるの? えへへ。」」


 言葉が出ないっていうのはこういう時に使うのだと身を持って知った。言いたいことは山にようにあるはずだけれども喉に物が挟まったように言葉がどうにもだせない。


「みーくん。嘘ついていてごめんなさい。でも、みーくんを好きな気持ちに嘘はないんだよ?」

「私もごめんなさい。私達、二人共みーくんのことが好きなの。」

 きっと俺は馬鹿みたいな顔をしていたと思う。口は動かすけれども中々どうしてもやはり言葉が声が出せない。

「沙羅は双子……?」

 ようやく絞り出せたのはたった一つの質問だけ。


「うん。そうなの。私が沙羅。」

 右側の髪をかき分けてキラリと光るイヤリングを見せる。

「それで、私が愛。」

 後から現れた彼女は左側の髪をかき分けて沙羅と同じイヤリングを見せてくる。それはどちらも確かに俺が彼女のために買ったイヤリングだった。


「……。初めて俺が会ったのは……?」

 かすれるような声で2つ目の質問を投げかける。

「はーい!」

 愛が可愛らしく手を挙げる。

「初めて手をつないだのも愛……?」

「うん!」

「あ、でも初めてみーくんと通話したのは私!あと手が触れたのも私だから!」

 沙羅が同じように可愛らしく手を挙げる。二人の違いが髪の方向以外になくなってしまう。段々見比べているとさっきまでどっちと一緒にいたのかさえ曖昧になっていく。


「「……みーくん。きっと怒ってるよね。でも、別に騙したかっただけじゃないの。」」

 二人が俺の右手と左手を取ってぎゅっと握りしめてくる。右が沙羅で、左が愛。心のなかでもう一度整理する。


「怒っては……いないけど……ちょっとまだ状況が……。」

 高鳴っていた胸は不思議なビートを刻んでいる。落ち着かない不協和音のようなその感覚が段々と目の前の光景が現実だと突きつけてくる。


「みーくんと一緒にゲームで遊んでた時からずっと、私達は二人で一人だったから。」

「段々とみーくんのことを好きになったのも一緒。」

「私達二人共みーくんが好きで好きでしかたないの。」

「でもみーくんを好きなくらいに……。」

「さーちゃんのことも好きだから。」

「あーちゃんのことも好きだから。」

 二人が互いに指を指しあって見つめ合う。そしてまた俺に視線を向けてくる。


「「みーくんが、もしも私達を許してくれるなら。大学まで待たなくてもいいの。みーくんとお付き合いたい……です!」」

 不安に揺れるような声で彼女たちが俺を真っ直ぐと見つめてくる。二人から発せられた流れるような言葉は連弾のピアノ曲のようで。重なる声は同じ周波数を互いに強調し合う。


 俺の頭の中には色々なことが駆け巡っていたと思う。だけれどもいつしか目の前の彼女たちの必死さに思考回路がショートしてしまい大体のことが吹き飛んでしまった。ただ、怒りの感情は最初からどこにもないことは確かだ。


 問題なのはどっちとも付き合うなんてことが出来るか。彼女たちは一緒が良いと言うけれども、俺はそれで良いのだろうか。

「……最初から二人で一人だったのなら、俺も二人共が、沙羅と愛が好きなんだと思う。……だから……その。」

「「だから……?」」

 不安に揺れる4つの瞳をこの先もずっと見つめて抱え込めるだろうか分からない。だけれども頭の中で考えが纏まる前に身体が動いていた。


「だから、今日のプレゼントはこうさせて……。」

 沙羅の掌に握り込まれた箱を一度受け取り目の前で開ける。中から二つの指輪を取り出す。

 本当は俺の分とサラの分だったそれを、両手に持って箱は元の通りポケットにしまい込む。手にした指輪を彼女たちのそれぞれの人差し指に差し込んだ。

 沙羅の右手の人差し指には赤い宝石が埋め込まれた方の指輪。愛の左手の人差し指には俺用だった少しサイズの大きな青い宝石が埋め込まれた方の指輪。


「愛の方のリングは今度調整しにいこう。今日はぶかぶかだけど許してね。」

 差し込まれた指輪を掲げて、彼女たちは目を見張り満面の笑顔を浮かべ二人で見つめ合う。目の前には俺の大好きな花のような笑顔が二輪咲いた。


「「えへへ。やったー!」」

 両腕に抱きつく彼女達の顔を見たら、浮かぶ悩みなんて些細なことに思えてくる。きっとそれじゃあ何かいけないのだろうけどもう考える余裕はなかった。


「ね、さーちゃん。見てぶかぶかだけど青い指輪可愛い。」

「あーちゃんの青色いいなー。でも私の赤色だって可愛いよ。」

 二人は指に差し込まれた指輪を見せ合う。

「「みーくん。ありがとう!」」

 じゃれ合う二人が俺の手を取り合って3人が寄り添う形になる。


「二人共、誕生日おめでとう。」

「えへへ、18歳になったね。」

「もうみーくんと1歳しか変わらないよ。」

 その言葉を契機に二人の顔がぐっと俺の顔に近づいてくる。どこか蕩けたようなその表情は蠱惑的でありしっかりと両腕を取られているせいで身動きがとれない。


「「みーくん。大好きだよ。」」

 両頬に触れる柔らかな感触。彼女たちの艷やかな唇が俺の頬に触れたのだと認識できたのは離れてからその数秒後。両耳から囁かれた甘い言葉に頭の中が溶け落ちてしまいそうだ。



「「みーくん。ご飯、食べに行こう!」」

「わっ!」

 惚けていた俺の身体が二人分の力で引っ張られ元来た公園の道を3人で戻っていく。道中すれ違う人達の不思議そうな視線をいくつもかい潜って夜の街へと舞い降りていく。

「「みーくんは何食べたい?」」

「なんだろうな……。あはは。忘れちゃった。」

「えへへ。じゃあ3人で探そ!」

「まだ今日は大丈夫だよ。時間あるから!」

 まだ頭の芯の方までは理解しきっていなのだけれど、きっとこの日が一つの区切りで始まりなのだろう。一生忘れられない約半年間と今日一日。この先、彼女たちの二人分の想いを受け止めきれるだろうか?

 

 冬の東の空。夕暮れをすぎて深い紺碧色に空が染まってから数刻後にふたご座が見え始める。その中にあるのはあるアステリズム。とびきり明るい二つの1等星が水平線の下側、広い宇宙できっと見えなくても輝いている。

 彼女達のとびきり明るい笑顔を二人纏めて……。いや、俺も含めて三人でふたご座のアステリズムに負けないくらい輝いてみせよう。きっと困難な道だろうけれども沙羅と愛がいれば――。


「「みーくん?」」

「あ、ごめんごめん。」

「えへへ。ぼーっとしてたねー!」

「何か考え事してたの?」

「んー。そう。二人のこと考えてた。」

「何を考えてたの?」

「俺は二人のことが――。」

 

 ⁂




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る