来年の話をすると鬼を拾った。

にら

零 始まりの酒

「らのぉ、じょお……とぉ」


都市にいることを忘れてしまう程幻想的な流星群に魅了されている中。

癖毛眼鏡、否、元根は泥酔したままフラフラと解放されたベランダに現れた。

ぶつぶつと、何を言っているのだろう?


「うにぃ……」

「は、うに?」


訳の分からないことを呟く泥酔元根はベランダの手すりを掴み、大きく息を吸って、叫んだ。

クソバカでかい声で、思いっきり。




「来年にはぁ、彼女とキャッキャうふふできますようにぃッ!!!」




「は……」


そして元根はゆくっりと倒れ……。


「うにぃ……うに食べたい」


寝た。

……どうしてだろうか。

その姿が滑稽で仕方がないからか。


「ふっ……ぷはっ、はははっは!」


どうしても笑ってしまう。

こんなにおかしな姿を晒す人間が他に存在する訳がないからなのか。


「クッフフフ!!あーウケる。マジでオモシレー……何もわかってないよなぁ」







本当に






「愚かだな」


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