アッシュラウド大陸記

NAGI

第1話 物語は始まった

アッシュラウド大陸と呼ばれる大陸がある。四方を大海原に囲まれた、そこには様々な人種が暮らしていた。

森林に暮らす、精霊と交信することの出来る耳の長いエルフ族、地下の巨大迷宮を管理する頑強な体と体躯を持ったドワーフ族。

半分、獣の姿を合わせ持ち、その能力を最大限に特化した身体能力を持つ獣人族。

そして、人―。彼らには身体的な特徴はこれと言ってなかった。だが、彼らは圧倒的に数が多かったので、それぞれが寄り集まって村を作り、町を作った。

それは次第に大きな集団となって、国となった。頂点に国王を頂く、王国の誕生である。

国と国同士は時には争ったり、また、時にはお互いに協力しあったり、興亡を繰り返す。

そうした営みのなかで人とエルフ、ドワーフ。そして、獣人との間にはさほど行き来はなかった。

自分達と違うものと認識し、お互いに不干渉を貫いていたのだ。

交流はあっても、あくまで個人間で行われた。それは商売であったり、近くに住む隣人としてのお付き合い程度でしかなかった。

そうした人々の暮らしがアッシュラウド大陸では日々営まれていた。


そんなある日、海岸沿いに一人の男が漂着した。男の姿を最初に目撃したのは、海で漁を行う漁師だった。

男と言ったが、あくまで主観である。その姿はまさしく異形であった。

エルフでもドワーフでも獣人でもない。人と呼んでいいのかさえ分からない。

外見的には人だ。二本足で立ち、両手を持つ。決して、獣ではない。

ただ、男には人にはない大きな角があった。耳の上、側頭部に禍々しいばかりに生えていた。牛の角のようでもあったが、それよりも大きい。

ならば、獣人ではないかと位置付けるのも難しかった。

何故かと言えば、肌の色が違った。男の皮膚はどす黒い紫色をしていた。そして、見上げるばかりの巨漢だった。

獣人は獣の特徴を体に有していたが、肌の色は人とそう変わらない。だから、獣人だとは言えなかった。

人々は遠巻きに男を警戒しつつ、挙動を見ていたが、男は微動だにしない。

漁師の仲間の一人が近隣の町の警備隊を連れ帰ったところ、初めて男から動きが見られた。それまで彫像のように固まっていた男が剣や槍を手に近づいた警備隊、その数、五人の代表が誰何する声に顔を上げた。

そして、それは起こった。男の腕が右から左へと水平に振られたと同時に五人の警備隊の首が吹っ飛んだ。

いや、消されたのだ。男の腕力によって。

それからは、文字通りの大殺戮が始まった。

男は警備隊の殺戮を見ていた漁師を、そして、近隣の村々や町を滅ぼしていった。

そう、滅ぼしたのだ。男も女も、老いも若いもない。目にうつるもの全てだ。

生き残った者もいた。いち早く危険を察知して、安全な森などに逃げ込んだ人々だ。

男は、わざわざ探し回ったりはしなかった。ただ、男の進行方向にあった村や町に残っていた人はほとんど全て、何が何やら分からぬうちに殺されていった。

抗えない、大きな力に蹂躙され尽くされた。そんななか、殺されない者も数人だがいた。周りの家族や友人、知人達を瞬時に殺され、動かない、おびただしい死体の群となった中で彼らは生かされた。

生かされたからと言って喜びなどあろうはずもない。恐怖と絶望のなか、彼らを待ち受けていたのは新たな異形の者達だ。

男のように大きな角もなく、体つきも小さな者達が男の去った後から現れた。

小さいとは言え、男と比べればで一般的な人よりは大きく力もあった。むろん、肌の色は紫色をしていた。

生き残った彼らを、現れた男達が連行して行く。その先にあるのが希望のはずもない。彼らは生き残ったことを神に呪った。

大切な人達と共に死んでいたらと嘆きながら、もはや抗う術もない。

そして、彼らは忽然と現れ、殺されなかった人と共に消えた。

森などに逃げ込んで、生き残った者達のなかでひっそりと町の様子を偵察に来た男の証言から、そうした一蓮の様子が判明した。


彼らが去り、安全だと判断したのは、さらに三日経った頃のことだ。

森のなかにそうそう食糧があるわけはない。空腹に耐えきれず、生き残りが恐る恐る戻って来た時には誰もいなかった。

そうして、海岸沿いから始まった大殺戮は徐々に内陸へと向かっていった。

男は最初、一人きりでその殺戮を行っていたが、海に程近い大国を滅ぼした際には男の他にも同じような力を持った者が三人いた。

その中でも目を引いたのは、女と分かる姿を持つ者だ。

彼女には男達のような破壊力はなかったが、ある種の力を使えた。

それは近年になって、極少数の人の中で顕れ始めた、異種の力であった。


人はそれを魔力と呼んだ。


女はそれを使っているようだった。それらを行使する人よりも遥かに強い力で。

そして、殺されないでいる者がそうした力を持つ者達であることが判明した。

海側の大国が滅び去った時、殺戮された人口は数万の規模に及んだ。

いまだ、異形の者達の侵攻を受けていない国では、彼らのことを『魔人』と言い表すようになった。


海に近い大国の北にはトルーガ大山脈が大きな峰を連ね、魔人の侵攻を僅かながらに遅らせていたのが幸いした。

大山脈の北側、大陸の中央に人の世界で、海側の大国に次いで二番目に大きな国があった。その国の名はイシュカと言う。

そして、先代から王位を譲り受けて間もない若い王の名をカイウスと言った。

彼は、魔力を持って生まれた。どうやら、母方の血にそうした因子があったようだ。

そして、武勇を誇る父方の王家の血もまた受け継いでいた。

カイウスの生まれた時には既に、母方の親族を長とする魔力を持った集団が出来ており、人は彼らを魔法使いと呼び習すようになった。

人にはない、力を振るう彼らのために国が魔法使いのための搭を建てた。そうして、独自の発展を遂げていた。

次に魔人の侵攻方向にあるのは自国だ。カイウスは魔法使いらと対策を講じる。

魔法使いの長であり、カイウスの叔母でもあるエイラが、さらに北にある獣人族の国との共闘を進言する。

彼らは人にはない、優れた身体能力を持っていた。人をはるかに凌駕する魔人との戦いにおいて、これ以上はない同盟相手だ。

エイラが使者となって、同盟を申し出る。

獣人の国、ビースター・テイルでも代替わりが行われたばかりで柔軟な思考を持った若き王タイガがこの申し出に賛同した。


両国はただちに最大戦力を持って、トルーガ大山脈の麓に陣営を展開した。

近隣の村や町の住人は、はるか遠くへと避難させ、両国が魔人を迎え撃つ。

その戦いは百日にも及ぶ。

次々と兵士が魔人の手によって倒されていき、魔法使い達も生命力とも通じる魔力の枯渇によって息絶えていった。

だが、両国の王を中心とした人と獣人との混合軍は決して引かなかった。

一人、二人と魔人を確実に仕留めていった。

残ったのは女の魔人と最初に大陸へと漂着した、双角を持つ男の魔人であった。

二人は仕留めた魔人とは格が違った。女の魔法によって、一瞬にして一兵団が圧縮死させられた。

そして、双角の男はとにかく強かった。鋼の体に俊敏な動きと尋常ならざる膂力によって兵士達がただの肉塊となっていく。

しかし、人は一人一人では弱くとも力を合わせることで大きな力を発する。

人族の王であるカイウスの魔力を帯びた魔剣と、鍛え上げられた獣人の王ルーガの持つ諸刃の大剣によって、魔人は徐々に力を削られていく。

戦いも佳境に入り、もはや、後がないと悟った魔法使いの長であるエイラが命をかけた大魔法を放った。

それは魔人の動きを絡めとり、動きを封じることに成功した。

二人の王は訪れた、この好機を見逃さなかった。渾身の力をふるい、双角の魔人を打ち倒したのだ。

残ったのは女の魔人、一人きり。女は呪詛の言葉とともに巨大な転移陣を起動させ、姿を消した。


全兵力の三分の二と魔法使いの長エイラを失いながらも、人と獣人の混合軍は勝利した。

その後、この戦いはトルーガ戦役と呼ばれ、魔人の脅威とともに後世へと語り継がれる。

さらに、ともに戦った両国はそれまでなかった人と獣人との深交を深めることとなる。

それをさらに強固なものにしようと、両国の王は自分達の子供達との婚姻を望んだ。

カイウスは娘をタイガの息子である王太子の正妃としてビースター・テイルへと送り出した。

だが、この婚姻は両国の関係を良好にさせるどころか、不幸をもたらした。

獣人の多くは、ただ一人の伴侶を番として、生涯大事にする。そして、王太子には国王には内緒の番があった。

彼女は乳母の娘で、王太子よりも年上であった。自分達の関係を父王に話せなかった王太子はイシュカの姫を正妃としながら、決して彼女に触れようとはしなかった。

数年後、王太子の番であった娘に息子が誕生したのを契機に、姫は正妃の座を明け渡し、故国へと戻る。

表向きは両国民の悪感情を抑制する目的で、姫が子どもが生めないことを苦にし、自身から正妃の座を退いたとされたが、本当の理由を知るイシュカの中枢は怒り浸透であった。そのため、両国の関係は冷ややかなものとなった。

それでも、国民同士の交易や親交まで口出ししないでいたのが幸いし、国同士はあくまで友好国の立場を崩さなかった。


さて、故国へと戻った姫であるが、帰国以来、彼女は表舞台から一切姿を消した。

再嫁することもなく、若くして世を去った。しかし、彼女は一人の息子を残していた。

その子供はビースター・テイルの国王タイガの血を引く子であった。

番の存在と夫に愛されることはないと知り、絶望していた姫と舅であったタイガはたった一晩であるが越えてはならない一線を越えてしまった。

姫は秘密裏に子供を出産し、王太子であった兄の妻に子供を託すと、儚く、この世を去った。

残された子は王太子の私生児として、妃が育てるという建前で養育を施され、すくすくと成長していく。

のちに彼は侯爵の位を与えられ、大臣として兄、本当は従兄である国王を補佐していく。


そして、年月はさらに過ぎる。魔人の爪痕を残すものは、もはやほとんど見当たらない。

トルーガ戦役で沢山の死者を出し、荒野となった平原も元の姿を取り戻し、青々とした草花を風にそよがせている。

そこに眠る戦死者を慰霊するための石碑が静かに立ち、トルーガ大山脈を越えて、海側の国へと赴く者達を静かに見守っているのみだ。

しかし、安穏と過ごしているばかりではない。いつ、魔人による再度の襲来が訪れるとも知れない。

海側に面した大国は滅んだが、隠れて難を逃れた者達が集まって、新たな国がおこった。それは以前とは比べ物にならない、小さな公国でレリントン公国と呼ばれる。

トルーガ大山脈を越えた二つの国からの援助で成り立っていた。

海側の異変に対応出来るよう、魔法使いを育て、遠距離での通話を確立した。

トルーガ戦役から五十年。一般の人々は平和と安寧の中で微睡んでいた。


だが、恐れていた通り、魔人の脅威は消えてなどいなかった。その侵攻は、先のように目に見える魔人による大殺戮ではなく、静かに行われつつあった。

彼らの目的は魔力を持つ人の捕獲にあった。海側の公国レリントンに駐在しているイシュカ王国の魔法使いがそれを察知した。

彼らは自分達の後進として目をつけていた魔力を持つ人間が、ある日忽然と姿を消す事例を度々目撃する。

それが魔人による、魔力を持った人の捕獲であるとイシュカの魔法使いの長へと伝えた。

それは直ちに国王へと進言された。

現在はカイウスの息子である、ロート王の御代であった。

彼は告げる。

「魔人の侵攻に対し、ビースター・テイルと再び手を取り合う時がきた」と。

そして、使者として自身の娘にして魔法使いの搭で学ぶ第三王女が向かわされた。

そして、彼女には護衛や側仕えとは別にもう一人、道づれがあった。

長い黒髪と新緑の若葉のような瞳を持った長身の娘で、ぱっと見は護衛の騎士の一人であるように見えるが、明らかに身に纏っているものが違う。

衣装も、そして、彼女の発するオーラのような気が段違いであった。

彼女が身に付けているのは、形は一緒でも普通の騎士が着るような上下の装束とは比べ物にならない位に手間と金がかかった上物だ。腰に提げた剣は決して派手ではないが、設えは精緻である種の芸術品と言っても過言ではない。

国王の使者として赴く第三王女と黒髪の娘が乗るのは地味に設えた重厚な馬車だ。

前後に側仕え達が乗る馬車が二台と、護衛の騎士が十数名、騎乗した馬が王女の乗る馬車を守るように取り巻いている。


「まあた!額に皺が寄っているわよ」

対面で座る国王の娘が、真正面に座る娘の皺の寄った額を人差し指で軽く突く。

それをうっとおしそうに黒髪の娘が、顔で振り払う。

「大きなお世話だ」

国王の娘で魔法使いでもある第三王女カーリーンは国民に愛される存在だ。

「せっかく、もう一つの故郷に帰れるって言うのに、どうしてそう不機嫌なのかしら?」

「カリン。お前こそ、どうしてそう能天気なんだ?魔人が来たかも知れないと言うのに」

カーリーン、親しい者や家族は彼女のことをカリンと愛称で呼んだ。

「考えてみたところでどうしようもないでしょう。魔人の脅威が消え去ったからと言って、二度と来ないなんて誰が言ったの?

エイラ様の死を無駄にしないよう、私達、魔法使い達は決して安穏と生活することなく、日々、研鑽してきたの。

それが現実となったからと言って、あたふたするような軟弱者は魔法使いの搭にはおりません」

強がりなんかじゃない。自信のような、それか、強い信念のようなものがカリンから感じられた。

「私とて、あたふたしている訳ではない。先の戦役のようにカイウスお祖父様はおられないのだぞ?

お前に言うのは何だが、ロート叔父上は剣士ではあるまい」

現王は決して弱くはないが、武よりも文の人だ。

「それを言うなら、レギン叔父様だって文寄りのお方でしょう?」

「父上はよいのだ!私と言う、立派な跡継ぎがいるのだからな!」

むっとして言い返す従姉妹をおかしそうにカリンが見る。

「跡継ぎはトーニがいるでしょうに」

「あれはまだ赤ん坊だ!」

従姉妹には前年、年が十六も離れた弟が出来た。決して異母の弟などではない。仲の良すぎる両親から生まれた、同母の姉弟だ。

第三王女と言うように、カリンには異母兄弟が大勢いた。父には正妃以外に側妃が三人もいるから当然の結果だろう。

「ビースター・テイルの獣人達はただ一人の番しか愛さないと言うから、叔父様はそちらの血を色濃く継いだのでしょうね?」

そう言うと、従姉妹は面白くなさそうにフンと鼻を鳴らした。

全く、素直じゃないのだから。

一夫多妻が当たり前の、イシュカの王族貴族の間で母親一人を大事にする父親を従姉妹は大層慕っている。

いわゆる、お父さんっ子だ。

「レナン王もナリヤ妃以外、娶らなかったから同じだけど」

すると、従姉妹は眉間の皺ところか額に青筋を立てた。

あー、逆鱗にふれちゃった。カリンは少しだけ後悔する。少しだけだけど。

「あの男の名を口に出すな!」

従姉妹の祖母にあたる、カイウスお祖父様の姫君を冷遇し、追い出した張本人だと言って従姉妹はことの他、ビースター・テイルの先王を嫌っている。

「まあまあ。死んでしまった人を悪く言うものではなくってよ」

三年前、件の国王は病死した。跡継ぎであった長男は既にこの世を去っており、国民には幼い孫のみが残された。

これが現在の王で、まだ十二歳と自分達よりも若い。

「ビースター・テイルと同盟を強化するのは良いが、国王はまだ子供だ。

果たして、有益な結果が出るのか不安だな」

先王の腹心の部下達で現王政は纏められているようだが、不安定な情勢らしい。

力がものを言う、獣人達の国で少年王の治世は磐石ではないのだ。

「それを助けるのも私達の役目よ。それを忘れないでちょうだい」

カリンが諭すように言う。娘にとって、カリンの母親はもう一人の祖母に等しい。

大好きな父親の養母だ。その娘であるカリンは従姉妹同士と言うよりも姉妹のような間柄で遠慮がない。

正直、苦手な相手だ。魔法使いは魔力をおさめる者達だが、同時に知識を司る者であり、頭が良い。

ついでに口もたつし、やり込められることなんてしょっちゅうだ。

「まあ、助けるかどうかは実際に見てからだな。ものの役にも立たない小粒の王なら、排除するまでだ」

あなたが言うと、洒落にならないんですけど。カリンは一人、嘆息する。

何故ならば、娘はビースター・テイルで英雄と讃えられるタイガ王の直系の孫娘だからだ。

現国王よりも上の王位継承者である。

「…お父様も面倒事を押し付けてくれたものだわ」

小さな呟く。

そんな独り言を聞き取れなかった従姉妹が、

「なんだ?」

と、訝しそうに問い返す。

「ただの独り言よ。気にしないでちょうだい」

「独り言はもっと小さな声で言え!」

そう、理不尽に責められた。

お父様、本当に恨みますわ。私に大叔母上のような役割を期待されても…。

トルーガ戦役で散った、エイラはイシュカでは死して、人ではない女神のような扱いを受けている。

偉大な先達であり、大叔母である。その彼女以来、王家から輩出された魔法使いである

私は、幼い頃から過大な期待を寄せられて育った。

女神の再来とまで言われる始末だ。

最悪である。私は、ただの小娘に過ぎない。王の娘と言う、見た目には黄金に輝くメッキで包まれているだけだ。

はあと、大きなため息がこぼれた。


どうか、女神エイラのご加護がありますように。


カリンは、そっと胸の内で祈りを捧げた。

イースター・テイルまでの道のりは遠い。

道中で血気盛んな従姉妹をどうにか大人しくさせないと。

長身の従姉妹よりも、ずっと小柄な体でカリンは、従姉妹の見えない手綱を引き締めるのであった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る