第4話 初冒険者ギルド
翌朝、ご飯を食べて宿を出る。ちなみにご飯はオーク肉といろいろな野菜を挟んだサンドウィッチだった。
俺は生産ギルドに来てまた作業室にこもる。
受付には今日もエイナさんが座っていた。
俺はポーションを3本作り終えると休憩をする。魔力は約1分で1回復するペースだったので俺は20分休憩してまたポーションを作りだす。それを数回繰り返すと素材が無くなったので今日は終わりにする。
俺はポーションを空間魔法のアイテムボックスにしまって冒険者ギルドに売りに行くことにした。ちなみにアイテムボックスは無限にものを収納できて時間の経過がないと鑑定スキルで出てきた。これはすごく便利だな、ありがとう!神様。
そうこうしていると冒険者ギルドに着いた。中は生産ギルドと違ってたくさんの人で賑わっている。
「すみません、ポーションを売りに来ました」
「わかりました!それではポーションを出してください。」
俺はカウンターにポーションを20本置いた。
「おい!どうせまた高値で売るんだろクソ野郎!もう我慢できねぇ!」
突然、冒険者らしき人が俺に絡んできた。何を言っているのか全然わからん。
「どういうことですか?」
「とぼけるなよ!毎回毎回ぼったくりやがって!」
うーん…本当になんのことを言っているんだ?俺が必死に頭を回転させて考えていると次々に俺が作ったポーションを壊し始めた。
え?なにやってんの?理解が追いつかないんだけど。
周りからはケラケラと笑い声が聞こえてくる。
「ふん!ざまぁねえぜ」
俺は理解がだんだんと追いついて来ると怒りが込み上げてきた。
「おい、これはどういうことだ?」
俺は怒りを込めて言葉を発する
「どういうこともなにもお前ら聖職ギルドがポーションを高く売ってるからだろ!」
俺は聖職ギルドの人間じゃないんだが…コイツ勘違いしているのか?しかし俺も勘違いだからと言ってこの事態を許すつもりはないがな
「俺は聖職ギルドの人間じゃn」
「うるせぇ!喋んなクソ野郎が」
ダメだコイツ、全然人の話聞いてないよ。
俺は受付の女性に助けを求めようとしたがアワアワと焦っている様子だった。どうしようかと考えているとギルドの奥から1人の大男が出てきた。
「おいおい、これはなんの騒ぎだ?」
「ギルマス!また聖職ギルドのやつがポーションを高く売りに来たんですよ!」
「そうかそうか、でもポーションを買わない訳にもいかないからな、そうも言ってられんのだよ」
この人、ギルマスなのかよ、確かに他の人と比べるとすごく強そうな人だけど…
「すまない、もう少し安くしてはくれないか?」
俺に言われてもな…
「だから俺は聖職ギルドの人間じゃないんだが…」
「え?どういうことだ?こいつから聖職ギルドやつと聞いたが…」
ギルマスが俺に絡んできた男を指さして言う。
「この男が俺の話も聞かずに勘違いしてるだけだまったく…」
絡んできた男は冷静になって俺の話を聞いているとだんだんと顔色が悪くなる。ざまぁみろ。俺はアイテムボックスから生産ギルドのカードを取り出してみせる
「これはどうしてくれるんだ?今日の収入が無くなったら俺は野宿になるんだが…」
俺も冷静になり少し怒りが収まった。
「本当にすまない、これは完全にこちらが悪い」
ギルマスが深く頭を下げる
「謝罪はいいんだがどうしてくれるんだ?」
再度そう言うと
「もちろんお金は払う、それで許してはくれないか?許せないならそこの男はギルドを追放しよう」
そうギルマスが言うと男は顔を真っ青にして床に膝を着く。なんか軽い感じもするが…
「いや、追放はしなくていい。」
そう言うとすごく感謝された。
こいつの焦ってる顔を見れて少しスッキリしたから許してやろう。
俺は金貨2枚を貰ってそそくさと冒険者ギルドを出る。
はぁ〜、やっぱり俺の人生ってろくなことないな
生産ギルドに戻りエイナさんにどうでしたか?と聞かれたので冒険者ギルドで起こったことを話すとすごく怒っていた。
「なにかあったのかい?」
奥から若い男の人が出てくる。長い金色の髪で爽やかなイケメンだ。そして耳が尖っている。これがエルフという種族なのか…
「ギルマス!聞いてくださいよ!」
ギルマスなのか!若いのにすごい人なんだな…なんかエイナさんがギルマスにすごい勢いで話し始めたんだが、ちなみにギルマスの名前はセントという。
「それは災難だったね…ギルドの新人くんによくもそんな酷いことをしてくれたね。エイナ、冒険者ギルドに定期納品しているポーションだけどもうしなくていいよ」
ギルマスがそう言うとエイナさんがわかりました!と言って裏に消えていった。
生産ギルドは週1でポーション類を納品しているらしいのだがそんなすぐにやめても大丈夫なのだろうかと言うと大丈夫だそうだ。
ハァ…今日もいろいろありすぎて疲れたので昨日泊まった宿に行く。今回は2泊分のお金を払った。
夕食を食べ終えてベットの上に寝転がり、こっちの世界に来てもいいことないな~とか思いながらゴロゴロしていたらいつの間にか寝ていた。
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