魔王なんて倒してやるかよ

鯖の水煮大好き

第1話 再びのの異世界

 暗闇から意識が戻ってくる。さっきまでは聞こえなかった声が耳に入ってくる。

数人の人間が俺の周りで会話しているようだ。

 それも興奮気味で。

 この感じ、。全くやってらんねえ。

 全くやる気は起きないが、俺が目を覚まさないと、こいつらはいつまでもこうしているのだろう。それはそれで煩わしい。

 仕方がないので、渋々身を起こし、目を開ける。

 すると、目の前には主張が激しい、無駄に光って眩しい如何にも王族らしい服きた王様らしきもの、俺を召喚したらしい地味な魔術師、それらを護衛しているであろう兵士が目に映った。

 ピカピカな王様らしきものが俺に対して、世界がやばいだの魔王を倒せだの

一方的に話しかけてくるのを遮って俺は言った。

「あー、あの俺いま疲れてるんでそういうの明日にしてもらってもいいか?」







 兵士が王様になんて口を-みたいなこといってたがまあなんとかなった。

 明日また話すだとかなんとか言ってたがまあ関係ないだろう。

俺は兵士に連れられて今日の俺の寝床まで案内されていた。

 辺りを見渡す。ベットにテーブル、

その他必要最低限なものしかない質素な部屋だ。よく見ると本棚らしきもの上にはほこりがたまっているし、部屋の角も汚い。

恐らくは使用人の部屋の空き部屋だろう。それも長年掃除をしていない。

 扱いひでえな。せめて掃除くらいしろ。

なんなんだ。ゴミはゴミ箱へってか。ホコリはホコリにまみれてろと。

 なんとなくそんな気がしていたが、奴らめ、

どうやら俺のことを人としてではなく、魔王を倒してくれる便利マシーン扱いしているようだ。全くもってやってらんねえ。

 俺は壁に取り付けられていた窓を開け、そこからの景色を眺めた。

町の出入口であろう巨大な門まで一直線で道が延びており、その横に商店がずらりと並んでいる。また、一直線の道からは何本も脇道が続いており、そこら中に建物が幾つも建っている。建物の形状を見るからに、なかなか発展しているようだ。

 逃げる分にはここから飛び降りてまっすぐ出口まで向かえばいい。

真下を見てみると円状に川が流れその上に橋が架かっている、またその橋がこの城と門(町の出入口とは別の城の出入口としての門)をつないでいた。

見張りは町と城の門に数人ついていたがさほど問題ないだろう。

俺は決意を決め、窓から外に飛び出した。


















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