第7章
家に帰りスマホを確認すると、一件のメッセージが来ていた。思いがけない人からのメッセージで私は二度も確認した。
「こんばんは、高橋です。失礼なのは承知でご連絡させていただきました。今日の方って彼氏さんですか?」
以前のメッセージより何倍も丁寧で堅苦しい文面の中に、彼の覚悟のようなものを感じる。そして私の中にもブレない何かがあった。
「いいえ、今日の方はお友達です。高橋さんには誤解されたくないです」
素直に、そして真っすぐにメッセージを送った私がいた。返事はすぐに返ってきた。
「よかった~てっきり彼氏さんかと思ってました!あの、僕、今日めちゃくちゃ態度悪くてすみませんでした!」
返事は彼らしい文面に戻っていた。「大丈夫ですよ」と返信しようと思った瞬間、着信画面に切り替わる。
「あ、こんばんは!高橋です!あの、僕、今日本当に態度悪くて…直接謝りたくて電話しました!っていうのは無理矢理な理由で…声聞きたくて!」
なんて真っすぐな人なんだろう。なんて愛おしいんだろう。
「はい、私もちゃんとお話ししたかったです」
そして私も、その真っすぐさに真っすぐ言葉を返す。彼の真っすぐすぎるその気持ちに、中途半端なもので返したくなかったのだ。それが私のモヤモヤを晴らす、太陽のような答えだった。
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