君の世界

鉄の扉がありました

誰かが中で泣いていた

私たちは、春の囲いの中

みんな一人であった

そこには45の異世界が

ひしめき合っている

引き出しの外側と外側

付き合わせて

謎を解きあっただけであった


誰もが自分の弱さ見せたがる

机の山に、黒板の隅に、私は隠しました

本当は私、猫が描きたいのだ

実はみんなが割を食う

黙ってビタミンをとる

実はみんなが怖いのだ



だって、みんな世界でたった一人

わたしのことなんて見てないくせに

おまえに私の何が分かる

諦めた人たちは扉を叩くのをやめた人たち

実は私もそうなんです

私は私が泣いているとき、他の人が泣いてたって助けられないんだ

だって、自分が一番かわいそうだから


私は 自販機の陰にあった

安い車のミラーに顔を映す

世界の終わりのような顔だ

私たちはいつも嘆いているのに

なぜかいつも楽しい

信念なき電車の音が聞こえ

ふくふくの総理大臣はやつれている


鉄の扉がありました

っていうか

もう、止めようぜこういうの

もう、終わりにしてくれないか

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