第11話

 ライは無残に死んだ。アンドロイド内の過激派の攻撃によって。

 その過激派たちはすぐさま殴殺おうさつされたが、指導者は戻ってはこない。


 ライの信奉者の間でまことしやかにささやかれている噂がある。

 これは人間側が仕組んだテロなのではないか、と。

 が、人間はすでに牙を抜かれており、地下に潜った連中も根こそぎ駆逐されている。


 そのため、この悲劇についてはタブー視されるようになった。

 

 ライが側近に言った通りの世界が訪れた。虚ろで無気力な都市空間が訪れた。


「あああああ! 俺にはもうなんも残ってねえんだよ!」


 自暴自棄になり暴れる奴らも出現し、自警団によって制圧された。

 この都市に警察はいない。

 アンドロイドたちが強権を発動して支配する都市。


 ライの崇高な理念は忘れ去られた。

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