第2話 いつか見たユメ

昔から、ずっと考えていた。

あの向こうには何があるのだろう。

どこまで行けば、たどり着けるのだろうと。


いつか、ソコに行って、サインを残すんだと。

子供のころはよく、周りにそう言って大人たちを困らせていた気がする。



大人たちは言った。

「あそこには、果てなんてないんだよ」

「空の向こうには、宇宙という果てのない広いソラが広がっているんだよ」


それを聞いた私は、更に瞳を輝かせてこう言ったらしい。

「そんなにすごいならうちゅーじんもわたしのサインみれるね!!」

にこにこ笑顔で、ポケットにはサインペン。


そんな子供だった。




夢を見た。




窓から現れたのは、こどものわたし。

まっしろな雲に乗って、『わたし』と一緒に旅にでよう。


「どこに行くの?」

「ナイショだよ♪」


雲の上から地上を眺める。

あ、同僚の子だ。お~い!

頭上から声をかけて手を振ったら、とても驚いていた。


ふふ、楽しい!


日が暮れるころ、部屋に戻ってきた。

窓からは月明り。


「またね!」


そういって『わたし』はいなくなった。


そして目が覚める。

現実の私は、ベッドの中から動けない。


小さい『わたし』はこの日から毎日夢に出てくる。


そしていろんな冒険をするんだが、それはまた次の機会に。

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