魔戦士アンジェロ

うっちー

第1章 復活の欠片

第1話 迎え

もうすぐ7時になる時計を見つめている

アンジェロ・ディアスは見るのも最後になる

自分の部屋をぐるぐる回っていた。

父は幼い頃に死んで、母と暮らしていたが今日で母と暮らすのも最後という事を告げられた。理由は聞く気にもならなかった。

要するにアンジェロは孤児院に入れられるんだろう。

最後の別れを言うべきだろうか。アンジェロは

少し寂しい気持ちと恥ずかしい気持ちが自分の中で葛藤している。この一週間一言も喋っていない

母と抱き合ったりひて別れを迎えるのは

逆に自分たちらしくないと無理やり理由をつけてアンジェロは恥ずかしい気持ちを隠した。

すると、家の前に車が止まる音がした。

ドアを閉める音が近所に響き渡る。すると

インターホンが鳴った。誰が来たかは分かる。

(孤児院の人が来たんだな)アンジェロは心の中で思った。とうとうこの家と別れかとやっぱり寂しい気持ちだけはアンジェロの心の中にあった。

しかし、その思いも一瞬で吹き飛んだ。

入ってきた小太りの男の格好はまるで一昔前の貴族のようだが絶妙にダサい。そしてアンジェロがまず思ったことは絶対に孤児院の人じゃない。ということだった。母も驚いているだろうと共感を求めようとしたが、母の顔は無表情だった。母は男にぺこりとお辞儀した後荷物を持って玄関まで行った。そして母はこっちを見てアンジェロの目を見た。実際に目があったかどうかは不明だが、確実に2人とも目を見ていた。そして母は自分の車に乗り込んだ。あっけない別れだったが、これこそアンジェロの思う自分たちらしい別れだった。


そして男がしゃべりだした。

「では、行きましょう!我が友アンジェロよ!」

アンジェロは困惑しながら言った。

「どこへ行くんだ?孤児院じゃなくて!?」

男はきょとんとした。

「お母様から聞かなかったのですか?孤児院?そんな所には行きませんよ。」

アンジェロはさらに困惑した。

「これから行くのは我々の家であり、基地であり要塞でもあり、、」

アンジェロが遮った。

「もういいよ。とりあえず行こう。どれだけ説明されても落ち着かないよ。」

男はにっこりした。

「あ、そうそう。私の名前はクラウン。よろしくお願いします。では行きましょうか!」

何もわからないまま車に荷物を積んで車に乗り込んだ。

「お母様から説明を受けたと思います。これからあなたは我が家であり我が基地の、、」

「そんな話一言もしてないよ。日常会話もしてないのに、、。」

クラウンはアンジェロを見た。

「それは想定外。お母様はやはり何も変わっておりませんなあ。」

アンジェロは不思議に思った。

「どういうことなんだ?変わってない?母さんのことを知ってたの⁉︎」

「えぇ。当然ですよ。お母様は昔偉大な魔女でしたからねえ。」

アンジェロは思わず叫んだ。

「母さんが魔女!?何の話だ!魔人なんてこの世の中にはいないさ!全部大人たちの嘘だ!」

クラウンは大笑いした。

「魔人はいますよ。あなたの隣にもね。」

アンジェロはお前が?という顔をした。困惑しきって何も信じられないという顔だった。

「あなたのお母様もやっと気が変わったのかと思っていたのですが、そこまで何も説明していないとは。まぁ、我が家につけば全てわかります。」

クラウンがアンジェロを見た。

「賽は投げられた。もう君は魔戦士なんだ。」

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