158話 激おこシュナさん

シュナ「直人君!コレはどういう事だい?

    説明して貰えるかな?」



あの後、直人の放った攻撃の余波は森全体にまで広がり、余波とはいえ、【烈光心】の効果は凄まじく

森に居たモンスターを残らず殲滅した。


森にモンスターの気配が無くなったので、

直人とリズはダンジョンに戻り

メインルームで寛いで居た所にシュナが現れ

空中に60インチ程のモニターを出すと

そこには大地がえぐれ、木々が倒され白い煙を出した映像が映し出されていた。


直人「あ、、いや、コレは、、」


しどろもどろになる直人。


リズ「それは私がご説明致します」


見かねたリズが助け船を出す。


シュナ「そうだね

    説明して貰おうかな

    リズが付いていながら

    この惨状を招いたのは

    余程の事があったんだろうね?

    でもさ、あそこには

    せいぜいRANK4

    程度しか居なかったハズだよ

    なのに

    RANK6をアッサリ倒す直人が

    苦戦して全力攻撃せざるを得ない

    状況でもあったのかい?」


逃げ道を塞ぐように言葉を重ねたシュナに対し



リズ「当然マスターが苦戦する様な

   モンスターは居ませんでした。

   が、

   今回はモンスターを討伐するのは

   【ついで】

   と考えておりました」


シュナ「【ついで】?

    どういう事だい?

    直人にはモンスター討伐を依頼

    したハズだし、

    その場にリズも居たよね?」


リズ「それは勿論承知しております。

   しかし、シュナイダー様は

   危惧しておられたのでは

   ないでしょうか?」


シュナ「ん?僕が危惧していた?」


    


リズ「はい、それはモンスター討伐前に

   シュナイダー様がマスターに

   仰っていた言葉に現れています。

   何故ならシュナイダー様は

   討伐を依頼する前

   《リベンジするかい?》と

   マスターに聞き、

   その後、

   《結構、衝撃的な事だったと》

   言いました。

   そこから推測するに

   シュナイダー様はマスターの

   【トラウマ】を克服させる為の

    クエストだったのでは

    ないでしょうか?」


怪訝な表情から意表を突いたリズの言葉に

視線を彷徨わせた後


シュナ「そう、、だね、、

    直人本人の前で言うのも

    なんだけど、旅立つ前に

    確固たる自信を付けてもらう為

    のある種、ゲンを担ぐ儀式の様な

    ものだったのは確かだね」



リズ「はい、ですから

   シュナイダー様の思惑通りに

   トラウマの原因となった

   モンスターと相対した際

   【トラウマ】を【烈光心】に変え

   見事完膚なきまでに粉砕する事に

   成功しました」


シュナ「いやいやいや!

    そりゃぁ、そうだけど!

    限度ってのがあるでしょ!?」

   


リズ「そうです。

   限度と超えた超攻撃。

   恐らくシュナイダー様はコレが

   地上で放たれたら

   大変な事態になる事を危惧されてる

   のではないでしょうか?」


シュナ「え?うん、、まぁ、そうだね」


単純に自分の敷地内を滅茶苦茶にされた事を怒っていたシュナは予想外のリズの台詞に戸惑うも

否定は出来なかったのでとりあえず肯定する。


リズ「流石です!

   シュナイダー様!

   空に浮かぶこのダンジョンなら

   被害を最小限に抑えつつ

   やり過ぎた場合でも、シュナイダー様

   のお力ならば、修復も可能!

   それを想定し、自らを犠牲にする事で

   マスターの【トラウマ】克服

   させ!

  

    今のマスターが本気となれば

    どの様な結果をもたらすのかを

    判らせる【だけ】では無く!!


    【烈光心】の有用性や可能性を

     理解させる為の

     最終試練だったのです!!」


胸を張りドヤ顔でシュナに言い放ったリズ


直人はこのダンジョン浮いてたのか、そうだったのかぁと呑気にラグモクを吸いながら

ボケーと考えながらリズを見ていた。

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