138話  リズさんのターン!!

シュナ「とりあえず、【気殺術】をリズに

    伝えなかった理由とゼニスが

    ボスとなった理由の説明は

    これで良いかな?」


一度映像を止め、俯き涙するリズに優しく話しかけるシュナ。


ゼニスがそっとリズに近づきハンカチを渡す


それを受け取りながらリズは


リズ「ありがとう、ございます

   ゼニス様、、、

   はい、、シュナイダー様のお心遣い

   に感謝致します

   先程は申し訳ありませんでした」


若干目を赤らめながら椅子から立ち上がりシュナに深々を頭を下げるリズ



シュナ「い、いや、、いいんだよ!

    ははっ、、」


この後、【気殺術】を克服する為の試練の様子を考えると後ろめたさがあるシュナは乾いた笑いで誤魔化す。


シュナ「あ!そうだ!まっ!

    そんな感じでさ!

    この後直人もリズを盾にするなら

    俺がなんとかするってカッコよく

    覚悟決めてね!

    僕とゼニスで、

   【安全に気殺術を使って】

   直人が見事克服させたって訳だよ!」


その後の映像を見せたく無いので、

言葉で誤魔化すシュナ


その横で、

直人を地獄に落とし続けたゼニスも

不自然に穏やかな顔で、

少しオーバー気味に頷いてる。



2人の違和感を感じとるリズ。


ジト目で2人を見つめると


リズ「なるほど、分かりました

   流石シュナイダー様とあのゼニス様が

   2人掛かりで協力して頂いたのなら安心

   ですね!」


微笑んでそう話すリズに、シュナとゼニスはホッとしながら


シュナ「ああ!もちろんさ!

    バッチリだったよ!

    ね?ゼニス!」


ゼニス「ほほほ、シュナイダー様の

    言う通りですじゃ

    全ては直人の並では無い魂が

    成せた事ですからのう」


リズ「そうですか、、なら、マスターの

       

       その御勇姿を、、、

     

     【見せて頂けますか?】  

                  」



シュナ•ゼニス「「え"っ!?」」


意表を突かれ固まる2人、しかし、シュナは

瞬時に打開策を思いつく


シュナ「いやね、それがさ前代未聞の挑戦

    だったからね、

    5日間もかかっちゃったからさ

    それを今から見るのも

    時間掛かっちゃうしさ」


やれやれとでも言うように

困り顔でリズの要望をかわす


シュナ「あっ!でも、最後だけ観ようか!

  直人が習得した瞬間は凄かったからね」


さも今思い付いたかの様に提案し、

絶叫シーンを

どうにか見せない様に誘導するシュナ

   


リズ「5日、、、も、、分かりました」


険しい表情で承諾するリズ


シュナ「あはは、そうなんだよね

    じゃぁ、早速、、」


モニターに映像を流そうとしたシュナに


リズ「では、最初からお願いします」



シュナとゼニスはまたも驚愕の表情を浮かべながらリズを凝視する。



リズ「5日という事なので恐らく動きのない

   変化の無い時間が長かったのだと

   推測されます。

   しかし、全体を把握しなければ

   どういった経過はわかりかねます

  なので後ほど【全て観させて頂きます】

  が、今は、何かしらの動きの無い場所は

   早く進めて頂いて結構です」

   


【全て観させて頂きます】


その言葉に絶望する2人

直人に文字通り「命」をかけてるリズに

アレを観せたら狂乱する程、激怒するのは

容易に想像がつく

が、ここで渋ったとしても意味がない


最悪直人の記憶を辿れば良いのだから

褒められた行為では無いので

極力しないと思うが、

直人の事となると

愚直なまでに真っ直ぐなリズは

必要悪として躊躇わないだろう



シュナとゼニスは視線を互いに交わすと

小さなため息を吐き

シュナは観念すると

最初からの映像をモニターに映した。

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