137話 リズさん激おこですか!?



       これは直人が、

   ゼニスが憑依したボスを倒した


       翌日の夜の話。



そこは、直人が居るダンジョン管理制御室


大小様々なモニターが数十はあり、そこでは様々な場所が映し出されていた。

中にはグラフや見たことのない数字や文字の羅列が写し出されてるものもあり、操作板や座席等もなく、唯一あるのはバスケットコート程ある室内の中央部に近未来的な椅子があるだけだった。


その椅子に座って居るのは

シュナことシュナイダーであり

その横にはゼニスの姿もあった。


シュナ「いやぁ、まさか【烈光心】にそんな

    能力まで備わっているとはね

    持ってるだけで

    ステータスは上がるし

    【気殺術】無効どころか

    力に変換して

   相手の技術、経験も取得するでしょ?

    凄いよねぇ、やっぱ直人は」


前日の直人とゼニスが憑依したボスとの戦闘をモニターで見ながら話す



ゼニス「そうですな、、

   戻って来てからの戦闘は

    実に見事でしたわい

    素人が突然達人になった様なもの

    ですからのう

    いやはや、、はて?誰か来ますのう」


シュナ「リズかな?直人は寝てるし、

    ここには来れないからね」


シュナ達のいる場所から数m後の転移陣が淡く発光するとそこに現れたのは


直人の寝室に居た

ダイナマイトボディを持つ美少女


シュナ「おっ!やっぱリズだね!

    良かった!良かった!

   妖精さんから人サイズまで顕現出来る

    ようになったんだね!

    って事はRANK4か!

    おめでとう!!」


ゼニス「おめでとうございますリズ様」



祝福するシュナとゼニスしかし、、



リズ「、、、、、」


転移陣に乗ったまま無表情にシュナを見つめる


不穏な空気を感じたシュナは


シュナ「あ、あれ?リズ?

    もしかして、、、怒ってる?」



ツカツカツカツカ


早歩きで近づくリズ


もちろん無表情である。


シュナ「ちょちょ、まっ、怖いんだけど」


まずいと感じたゼニスはリズとシュナの間に

入ろうとしたが、

ゼニスが動き出そうとした時

リズの顔が、

ギュンとゼニスの方を向き一言


リズ「ゼニス様は下がってて下さい」


ゼニス「あ、はい」


ゼニス撃沈


シュナ「ゼニス!ちょっ、、」


リズはシュナの目の前まで来ると近くのモニターに向かって指を指した


リズ「シュナイダー様!コレは何ですか!!

   話が違うじゃないですか!

   このボスの事マスターは

   ゼニ爺さんと呼んでました!

   ボスを操作してたのは

   ゼニス様なんですか!?

   それとボスが使った未知の攻撃!

   後、マスターから出た炎!

   一から全部説明して下さい!!」



シュナ「は、はひ、、、」


椅子の上で膝を抱えて怯えるシュナ

その傍らで俯き存在を消すゼニス

仁王立ちで激おこリズ











巨大なモニターに映し出される映像


それは、直人が意識体となりシュナとゼニスと

再会する所から映し出されていた。

    


シュナ「ある程度は飛ばしながら要点だけ

    補足しながら観てもらうね」


ちょっとビクつきながら

リズの様子を伺うシュナ



リズ「分かりました。お願いします」


無表情で答えるリズ


シュナ「えっと、じゃぁ、コレからかな?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


シュナ「RANK5やRANK6ともすぐ

    戦闘する事に

    なってしまうのさ

    そこが問題

    RANK5のモンスター以上からは

    【気殺術】を使ってくるんだよ

    直人は実際ここに来る前に

    受けた攻撃がそうなんだけどね」

         ・

         ・

         ・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最初の方は飛ばし【気殺術】の説明する所が映し出される。


リズ「そんな!?こんな重要な情報なら

   尚更!何故!

   言って頂けなかったのですか!」


立ち上がりながら再度怒りが爆発するリズ


シュナ「ま、待って!とりあえず最後まで

    観てから!ね!」


両手をリズの方に向けドウドウと

宥めるシュナ



リズ「、、、わかりました、すみません、、

          続きをお願いします」


しぶしぶ着席しモニターに目を向ける


続きが流れ


シュナの【今頃、死んでたよ】のセリフに


般若の様な表情でシュナを睨むリズ


困った顔しながらモニターを指差すシュナ


美しい顔の眉間にシワを寄せながら

モニターを見るリズ



映像では次第にリズの話となり展開していく

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【マスターの魂を守る為に

       私の魂を盾にすれば良い】


        そう


      判断するんだよ」



直人「なんでそんな事になるんだよ!

    それなら盾にしたリズの魂は

          どうなるだよ!!」


シュナ「RANK5程度なら大丈夫さ

    消耗はするだろうけどね

    ただ、、、」


直人「ただなんだよ!勿体つけんなよ!」



シュナ「RANK6の【気殺術】の攻撃は

    恐らく一撃で

    リズの魂を粉砕するよ」


直人「ふざけるなよ!

   そっ、、そんな、、そんなんだったら

   リズにそんな事

   させる訳いかねぇだろうが!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【気殺術】の特性を先程理解した時のリズは

自分ならどうにか出来ると

映像を観ながら確信していたが、


その後、シュナが予想した展開に、

表情が暗くなるリズ


恐らくは、前もって知っていればシュナの言った行動を取っていたからである。




そしてリズの行動に激昂し否定する直人。


リズ「マスター、、、ごめんなさい」



そして昂る感情に涙を流す直人の姿を見て、


リズ「あぁ、それほどまで私の事を、、、」


直人が自分を本当に大事に

思っていてくれた事に

深い感謝を感じ、その直人の思いを自分の愚かな判断が直人を悲しませる結果となる事を知り


リズ「マスター、、申し訳、、あり、ま、せん」


俯き涙した。

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