134話 結構凄いぞ!おっさん!

目の前の冴えない男は誰もが、なし得なかった事をやってのけた。

それが自分の事のように嬉しく

誇らしい。



シュナ「おめでとう直人

    キッカケどころか一つの技能として

    発現させてるよ!」


心底嬉しそうに喜ぶシュナは笑顔で直人の肩を叩きまくる。


バンバンバンバン!


直人「あぁ、ありがとうって!

   分かった!分かったから!

   なんか痛い気がする!?」


だんだん強くなる衝撃に意識体とはいえ、ダメージを受ける気がした直人


ゼニス「いや!見事じゃった!流石リズ様が

    選んだ者じゃわい!!」


バンバン!ドンっ!バンバン!


ゼニスもまた笑顔で称賛しながら直人の背中をバシバシ叩く。


直人「痛っ!?くないけど!ゼニ爺さんのは

   凄い強いんだけど!?

   ちょやめて!分かったから!

   許して!?」


2人から受ける称賛とダメージに降参する直人


シュナ「ふぅ、、この位にしてあげるよ

    最高の結果に終わったけどね

    本当に長い5日間だったよ

   最後の方は流石に諦めかけたからね」


叩くのをやめたシュナは疲れた表情でため息を吐くと、心底ホッとした心境を語った。


ゼニス「うむ、シュナイダー様もわしも

    この空間に長居し過ぎて

    力を使い過ぎてしもうたからの

    習得後、間も無い

    直人にはちと酷じゃが

    あのフィールドに戻り

    ボスとなったワシと決着を

    付けねばならぬ」


ゼニスもまた叩くのをやめ、この場所であまり時間が残されてない事を直人に伝えた



直人「え?あぁ、5日も?

   ボス戦?

   うん、、まぁ、体は意識体だけど

   絶好調だから問題無いけど

   あのボス倒しちゃってゼニ爺さんは

   大丈夫なの?」


ゼニス「問題無いわい、傀儡の様に操ってる

    だけじゃしな

    本体は別の場所に居るから

    気にせんでええ

    それより、手は抜かんからの

    良いな?」


武人らしく威厳のある覇気を纏いながら直人に問いかける。


直人「ああ!問題ない!

   ゼニ爺さんも疲れてるんだろ?

   あんまり無理しないようにな!」

   

ゼニスの覇気に堪えた様子もなく涼しげに答える直人


ゼニス「ぬかしよるわい!

    ならば遠慮は互いにいらん!」


愉快そうに笑うゼニス。



直人「了解!じゃぁ、シュナ

   今回もまた世話になったよ

   リズを盾にする事なく【気殺術】に

   対応出来るようになったし!

   本当にありがとうございました!」


背筋を伸ばして頭を深々と下げる直人。


シュナ「こちらこそだよ

    近々また会う事もあると

    思うからね

    そな時は僕のお願いも聞いてね?」


直人「お?シュナからのお願い?

   そりゃぁ、構わないけど、、

   俺に出来る事なんだよな?」


シュナ「直人にしか頼めない事さ!

    おっと、時間だ!

    んじゃ!頼むね!」


直人「なんか怖いんですけど!?

   なんだかんだで無茶振り

   してる気がするし!

   って!そう言えば!

   始めの頃ダンジョンがどうとか

   言ってたけど!

   やっぱりシュナがこのダンジョン

   動かしてたんじゃないか!

   だったらあの時って

   ちょまっ!

   まだ、言い足りてちょ、あ」


シュン、、、


元の場所へ戻された直人


ゼニス「では、わしも行きます」


シュナ「うん、頼んだよ」


ゼニス「御意」


シュン、、、


ゼニスも消え空間にはシュナ1人だけ残った。


シュナ「はは、バレちゃったね

 でも本当に、、凄いね、、キミは、、」


直人が消えた場所を見ながら呟いた。


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