『かんかんのう』
あん
第1話『から袖の弥平』
右手が
働く
元は
連れていく道すがら、春の
かんかんのう きうれんす
きゅうはきゅうれんす
さんしょならえ さあいほう
にいかんさんいんぴんたい
弥平にはこの
お
覚えた流行小唄だ。
歌っている弥平がふと後ろを見ると、
売られた娘の一人が泣いている。
「なんな?泣いても家にゃあ帰れんばい。
お
弥平なりの
右のから
「ほら、アンタ口開けんね。これ・・・食べりい」
そう言ってキャラメルをひとつ娘の口に放り込んだ。
そうやって店まで送り届けた帰り道は決まって
また
情けをかけるなんざ身の程知らずもいいところだ。
だから
弥平の楽しみは
『かんかんのう きうれんす きゅうはきゅうれんす さんしょならえ』
酒に酔って
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