第3話

男ってのは勘違いBOYだ。B‐BOYを、B=場違いなくらい勘違いな、BOYと呼んでもいいくらい僕はそう思う。


小学生のときも中学生のときも高校生のときも、そして今でも、見つめられていたらすぐに僕は「このコ、僕のことが好きなんじゃないかな!?」って思ってしまう。ほんとバカだ。やっぱり親譲りなのかな。そう考えたら、まぁ仕方ないやって、自分のことが好きになれる。


ほんと単純な人間だ、僕は。他のこともこんな単純に考えることができたらもっと楽しく生きられるだろうなって思うんだけど、無理だろうな。僕はやっぱり人間だし。


見方という題目で考えていると、またまた幼稚園の年少のころを思い出した。あれは確か掃除の時間。僕はふつうに掃除をしていたんだけど、なぜか急に映画のようにシーンが変わって、僕は雑巾がけを盾にしていて、年長の悪がきに襲われているシーンに変わった(なぜ映画のようにかというと、ただ昔のこと過ぎて記憶が曖昧だからだ)。


僕はとにかくその雑巾がけを盾にして必死に悪がきから身を守っていた。なぜか知らないけど僕はひたすら雑巾でしばかれていた。ずーっと「なんでだろう?なんでだろう?なんで僕はこの人に叩かれなくちゃいけないんだろう?なにもしてないのに。なにもしてないのに。早く終わらないかなぁ。」って思いながら、半分泣きながら身を守っていた。


たぶん、このせいで僕は人生において先輩というものが苦手になったんだと思う。トラウマだ。今なら間違いなくボコボコにしてやるのに(僕は小学で空手を習い、中学同じく空手、高校は横に流れてボクシングをした)。今でもその年長の悪がきの顔ははっきり覚えている。中学は野球部、高校は地元の高校、くそっ、思い出しただけで腹が立つ。


こんなおもしろくない話ならいくらでも、何時間でも話せる。話せばいっぱい出てきて止まらなくなるだろうし、そしたら聞き手のことなんて考えなくなるし、気づいたときにはきっともうそこには誰もいなくて、自分だけぽつんと残っちゃうだろうからこの辺にしておく。


時間はまだまだあるわけだし、ゆっくり話せばいいし。いつの間にか自分が「ドミノ製作所」のことを話さなきゃいけないことも忘れそうになったし。


だからこそ、とりあえず、サチの話をしてみよう。


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