3話 孤鍋はじきに熱くなる

「テメーを今から殴れると思うとよぉ…ゾクゾクしてくるぜぇ…。」

声の主は先ほど殴りかかってきた男だ。

「何だ?こいつ。喪介、知ってるか?」

「知らない、それよりあいつ…高熱を帯びたパンチを繰り出してきやがった…」

喪介は蒸気を出し赤く光った彼の拳を見て言う。

「あぁ?知らないだとぉ!???」

「俺の名は「本田 猛人たけひと」、トラック運転手だ…。ある日テメーを轢いた、だが生きていた…そして何をしたと思う?」

本田は問う。

「俺はなぁ!!テメーに殴られた!!!そして目覚めたら朝だった!!!おかげで仕事はクビよぉ!!!」

「でもなぁ…目覚めたときに手に入れたこの力ァ…感謝してるぜクソガキ…」

「これでお前をメッタメタに殴れるんだからよぉ!!!!!!!!」

本田は怒りに任せ、嵐のように怒鳴り散らす。

「橘さん。あいつ、完全にミタマ使いだな…。」

「あぁ、それにこれは困った…あいつは完全に戦闘向きだ…逃げるぞ。」

2人は全速力で逃げ出す。

「おいテメー!逃げんのか!!!」

本田は地面に手をつく。

「だが、逃がさねぇぜぇ…『ライデンシャフト』!!培熱ばいねつ

そう言うと、180cmぐらいのマグマのような見た目のミタマが同じようなポーズで出てきた。


その頃

「はぁ…はぁ…撒いたか?フー…あっつぁ!!!!やべぇ喪介!地面が熱い!!!」

「え!?あっつぁ!!あいつだ!!クソ!このままだとマズいぞ!!」

よく見ると周囲のマンホールや車のタイヤは溶け始めている。

「あぁ…追いついたぞぉ…クソガキィ!!!」

本田が追い付いてきたようだ。

「来たよ!喪介!逃げよう!?」

おののく橘。

「クソ…今やらないと街が…。でも…、いや、俺、やるよ。橘さん。」

喪介は呟く。決意とともに。

「え!?無茶だ!」

「いや、できる気がするんだ。やらせてくれ。」

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