短編集 少しの時間でキュンキュンしましょ
松田 遥
第1話
私の名前はミナ N校の高一です
野球部のマネージャーをしています
今、練習試合中です
0ー0
同点
9回裏
2アウト
次の打者は…
タツキ先輩か…
ちょっと苦手なんよね
あの先輩
「それにしても暑いなぁー」
まぁ私よりいろんなもの着て、野球してるんやけどね
ポスッ 「わっ!」
帽子が頭に乱暴に被された
「…これでちょっとは暑くなくなったか?」
…え?
聞いてたの?
誰にも聞こえないような
小さな声で言ったのに
タツキ先輩はすごく不器用だけど優しいんだ
その事を知ってるのは私だけかな?
「ふふんっ♪」
カキーーン
練習中に何度も聞いた音だ
私は小声で言った
「ナイスホームラン、タツキ先輩」
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