第8話 作戦会議、マジ無理!!

「誰が、ゴボウですって?」

「あんたよ!そんな黒く焼いちゃって、ゴボウじゃない!!それにあいつ!あんな大きいの持って!まさしく乳牛よ!!」

女王はブチ切れまくっており、それに乗じてアヤカまでがブチ切れている仕末だ。ケロルは慌ててふためき、キョロキョロしている。もはや、モモに至っては自分が罵られてることにすら気付いていない。

「やめて下さい!お姉ちゃんもアヤカさんも!」

「なんで私の名前を?」

そう思い、よく声の主を見るとジュンヌであった。大浴場で会った時とは違い、鎧をまとっていて少し凛々しくなっていた。

「昨日はどうも。そして、今日は姉がすみませんでした。こちらは姉のワネット、年齢は私の四つ上です。」

「それはヤバみ(笑)王女だったんだ、マジビビるわ(笑)」

「異国の言葉か?全く意味がわからん。」

ぼそっと、円卓から声が聞こえた。ジュンヌは続ける、

「騙してしまって、ごめんなさい。今からこの国を救ってもらうっていうのに。」

ワネット女王はムスッと拗ねてしまい、完全に口を閉じてしまった。

「全然良いよぉー。楽しかったし。マジ、テンアゲって感じで!アゲすぎてのぼせちゃったから、ちょっとテンサゲだけど(笑)」

「で、何すりゃいいの?」

口の聞き方を注意する場面であったが、家臣たちはリアル王女を見てテンションMAXなモモの会話が理解出来ず、ただ呆然としていた。

「では、私から説明しますね!」

少し微笑み、ジュンヌは説明を始めた。


(以下の【】部分は実際の説明が入りますが、もちろん、彼女たちは一切聴いてないor理解出来てないので、飛ばして読んでも大丈夫です✨)


【我が国セレティアは現在、総五カ国がひしめくこの大陸で窮地に立たされています。大陸で二番目に大きいペールマン王国から攻撃を受け、甚大な被害を被りました。亡国の危機に瀕した我々は隣国で同じく王国からの攻撃を受けていたエールランドと同盟を組みました。それから10年が経ち、エールランドは酒を中心とした産業の発達や漁業の豊作などにより、富を蓄えました。先日から国境線を超えて軍が侵攻し、村が襲われるなどの被害も寄せられています。この事実上の同盟破棄に関して我が国は今会議で方針を決めようと考えています。私の意見としては、、、(以下略)】



真面目にメモをとったり、隣と意見を交わす家臣たち。ケロルもふむふむと納得しながら聴いている。救世主二人を見てみると、モモは夢の中にいて、アヤカの頭はショート寸前といったところだった。それを見つけた家臣が嫌味な笑みを浮かべ質問する。

「救世主様たちはどう思われますか?」

「いいや、全くわかんねぇ。」

「おっはようございまーす!」

モモが突然起きて立ち上がった。ケロルはただ下向き、ジュンヌですら苦笑いの有り様だった。その空気を感じたアヤカは、

「とりあえず、そのナントカランドをやっつければ良いんでしょ!やってやんよ!なぁ、モモ!」

「うん!きっとワタシたちが入れば大丈夫✨」

自信あり気な二人の目に圧倒される家臣たちであった。その後、ちゃんとした案が出来て会議はお開きとなった。お経にしか思えない長い会議を終えたアヤカとモモは疲弊しきっていた。ドアを開けようとした時、逆側からドアが開いた。

「頼もう!誠に遅れてすまぬ。素振りをしていた。」

ホーセン将軍が来たのは日が沈み始めた頃だった。




つづく

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