十四時二十四分より

いかん


ぬるま湯だ


ぬるま湯が頭蓋の内を満たした


いかん


喉の渇きを覚えたが

茶を飲むことすら煩わしい


待ち人などいないのに

待ってるのは薬だけ

震える指とつれないペン


原稿用紙には手垢一つ付いちゃいない


吹き込む風が次第に冷たくなってゆく




爪と目が合った


よお


ずいぶん背が伸びたな

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路傍の陰気 夏村木 @huchinooku

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