24日目 『ゼロの執行人』感想

彼曰く、これが100億の男か。


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劇場版コナンを連日見て行くターン。そろそろ全部見れてもいい頃合いだけど、まだあと7作くらい残っているかな?新作上映が終わる前に見切ることはことはできるのか、東京の端っこでのひとり相撲は終わるのでしょうか……?

とはいうものの、コナン映画を劇場で見た記憶はあまりない。たぶん『業火の向日葵』と『戦慄の楽譜』は見たかな?そのほかはTSUTAYAで借りるか、金曜ロードショーか何かで見てた気はする。そもそもコナンをちゃんと見ていた期間って少ないから、あまり印象にないんですよ。それでも劇場版は見ようと思わせてくれるので、さすが人気作ですね。

『ゼロの執行人』上映当時、安室さんは「100億の男」と呼ばれていました。実際には興行成績100億達成とはならなかったようですが、それでも91億円は十分な実績です。安室さんの熱狂的なファン、特に女性は「安室の女」としてSNSなどでフォロワーたちに呼びかけて売り上げに貢献しようと動いていました。謎の使命感に駆られてひたすらに「執行され」に行くファンたちの頑張りはすごいですね。



阿笠博士の家でドローンのテスト飛行をしていた少年探偵団たち。その様子を見ながら、コナンと灰原は東京サミットが開催されるエッジオブオーシャンや火星無人探査機「はくちょう」についてのニュースを見ていた。その途中、エッジオブオーシャンで爆破事故が起きたとニュースが流れる。灰原は報道の中で、映像に一瞬安室が見えた気がするとコナンに伝える。

警視庁での捜査会議では事故として調査が進むかに思われたが、警視庁公安部の風見が会議室に入ってきて、爆発現場の破片から小五郎の指紋が採取されたと報告。毛利探偵事務所の家宅捜査が行われることになり、コナンも蘭と同席したところ、高木刑事のほか、風見がいること、その顔にけがが多いことに気付く。小五郎本人も、蘭もコナンも、彼の無実を主張するが相手にされず、結果、押収されたパソコンから東京サミットの日程表や国際会議場の見取り図、発火元と思われる高圧ケーブルへのアクセス履歴が確認され、取り調べのために任意同行を求められる。小五郎は手を払ってこれを拒否、代わりに公務執行妨害で逮捕され、強制的に連行されてしまう。

高木から風見が指紋を報告したことをきっかけに小五郎が疑われ始めたことを聞いていたコナンは、一連の捜査が公安による強引な捜査だと感じたコナンは安室に厳しく言い募る。しかし安室は答えをはぐらかし、強く反論する。阿笠や灰原の協力で爆発物や爆発現場について、コナンは独自の調査を開始する。

小五郎の疑いを晴らすため、蘭は妃を頼るが肉親の弁護は出来ないと断られてしまう。妃も代わりの弁護人を探していたがなかなか見つからないでいたところ、橘鏡子が事務所を訪ね、小五郎の弁護を申し出る。公安刑事を数多く担当したと聞き蘭たちは喜色ばむが、負け続けであると聞き不安に駆られる。さらに担当検事は負けなしで有名な日下部誠だと伝えられる。

調査が進み送検されてしまった小五郎は、日下部からの取り調べでも一貫して無罪を主張。爆破の動機がないことや証拠資料を見て、小五郎の罪状に疑問を抱いた日下部は、警視庁公安部に追加調査をするよう上司の岩井に訴えるが、岩井はこれを拒否。警視庁の言いなりである岩井に不満を抱いている日下部は、警視庁公安部に独断で追加調査を依頼した。蘭たちは結果を期待するが、小五郎は必ず起訴されると主張する鏡子の姿勢にコナンは疑念を抱く。

翌日、目暮警部から情報を得ようとしていたコナンのもとに、安室と風見が現れ、2人の行動に不信感を抱く。その後、鏡子が持ってきた取り調べ資料を見ていたところ、公判前整理手続の連絡が来てしまう――。



今回もネタバレはこの辺で。

一般人にはなかなか伝わりづらい内容ですね。公安部が警視庁にも検察庁にも警察庁にもあるとは知りませんでした。少年探偵団たちの目線が一番視聴者に近いみたいです。

シナリオとしても複雑に絡み合った各自の事情を最後に収束させてまとめていて、見応えがありました。小五郎が逮捕に至るまでの流れの中、違和感の残る風見や安室の動き、盗聴と盗聴、取り調べ資料から徐々に判明する爆破事件の真相。さらにその裏にある過去の出来事、公安部の闇にも触れることになる確執。最終的にはすべての捜査で公安の意図が働いていたこと、正義のための違法な捜査の実態も見えてきて、スケールが大きくなる様相を見せてくる。

途中、コナンと安室は敵対するかと思われますが、それさえも公安の目論見通りだったというオチにつながっている。迫力あるアクションシーンも多く、ゲームやハリウッド映画のワンシーンを参考にしていそうな場面が多くて、映像的な楽しみも多い作品でした。


個人的に興奮したのは、今作から採用されたイメージボード。担当しているのはloundrawさん。私の好きなアーティストの一人です。透明感と淡さを兼ね備えた、儚さや生命力、光の表現が素晴らしい絵を描かれる方です。映画内ではイメージボードと同じ構図の絵が何度か登場してました。そのシーンはしっとりとした、大人な印象を受ける仕上がりになっています。合わせて見てほしいポイントですね。

以降の作品もイメージボードを担当されているんだとか。楽しみな要素が増えたので、コナン映画はしばらく私のブームになりそうです。

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